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2009衆院選

 全国情勢(2009年6月8日)


 政権選択選挙となる次期衆院選の立候補予想者は、7日現在で計918人に上ることが共同通信社の調査で分かった。うち女性は139人。小選挙区には830人が出馬を予定している。衆院の議員定数は小選挙区300、比例代表180の計480。自民、民主両党は258選挙区で直接対決する。両党とも単独過半数(241議席)確保の見通しは立っておらず、どちらが第1党になるかが攻防の焦点だ。
 7月28日まで延長された今国会中の衆院解散が有力視されており、各党は臨戦態勢に入っている。
 自民党の小選挙区候補者は山梨2区、福岡11区など公認調整が最終決着していない一部ケースを含め295人。実質的には、候補者がいない栃木3区を残すだけとなった。民主党は264人。公明党代表らが出馬する東京12区、兵庫8区での対抗馬を明かしていない。擁立を見送る30選挙区程度では野党共闘を強める。
 小選挙区ではこのほか公明党8人、共産党149人、社民党31人、国民新党10人、改革クラブ1人、新党日本1人、諸派25人、無所属46人が準備している。
 比例代表候補は、公明、共産両党が全国の11ブロックすべてで比例単独候補を擁立。社民、国民新はそれぞれ5ブロックで単独候補を発表した。
 自民党は比例上位の単独候補を極力絞るが、選挙のたびに小選挙区と比例代表を入れ替える「コスタリカ方式」が5選挙区で存続。2005年の前回衆院選で初当選したものの、小選挙区での出馬先が見つからない「小泉チルドレン」の処遇が課題として残っている。民主は原則、比例上位での単独候補は置かない方針。
 諸派では、新党大地の現職が比例北海道ブロックから出馬するほか、宗教団体を支持母体とする幸福実現党も小選挙区、比例双方で準備を進めている。
 現在の衆院議員の任期は9月10日まで。

 【情勢の見方】立候補予想者は7日現在の共同通信調べで、調整中を含む。氏名は敬称略、本名の漢字書き。芸名やペンネームが通用している場合は通称名。情勢の都道府県名の横のカッコ内は小選挙区数。

【小選挙区】
熊本 福岡 佐賀 長崎 大分
宮崎 鹿児島 沖縄
北海道 青森 岩手 宮城 秋田
山形 福島 茨城 栃木 群馬
埼玉 千葉 東京 神奈川 新潟
富山 石川 福井 山梨 長野
岐阜 静岡 愛知 三重 滋賀
京都 大阪 兵庫 奈良 和歌山
鳥取 島根 岡山 広島 山口
徳島 香川 愛媛 高知
【比例代表】
与党 野党

 ▽民主、社民、国民新 共闘態勢を確立
 【熊本】(5)
 衆院熊本1~5区は、現職6、新人6の計12人が立候補を表明。2005年の前回に続き、全選挙区で与野党が激突する。自民、公明の連立与党は矢継ぎ早に打ち出した経済対策を前面に政権党の強みを強調。野党は民主、社民、国民新が政権交代を掲げ共闘態勢を整える。共産は比例区と連動して1区に全力投球する。幸福実現党は全選挙区で5人の候補者擁立方針を明らかにしている。

  【1区】前回同様、自民、民主を軸に共産が絡む。各陣営とも無党派層を意識しながら、支持基盤固めを急ぐ。民主松野は所属グループの鳩山由紀夫氏の党代表就任をアピール。地域ごとの国政報告会やミニ集会を重ねる。前回、新人ながら松野を追い詰め、比例で復活した自民木原は党所属の県議、熊本市議と連携した動き。校区ごとの後援会づくりを進める。共産山本は得票を伸ばした県内市町村議選の勢いに乗り、党勢拡大を狙う。

  【2区】事実上、県内唯一の自民対民主の一騎打ち。自民野田毅とコスタリカ方式で入れ替わる林田は、合同選対を組む野田後援会へ浸透。党県議らを主力に現職閣僚を招いた集会などで、経済対策をアピールしている。民主福嶋は、前回まで出馬した民主の参院議員松野信夫や同党県議の支持をバックに、ミニ集会やつじ立ちで知名度アップに躍起。

  【3区】自民坂本と元自民参院議員の無所属三浦の保守系2人と、民主後藤が名乗り。松岡利勝農水相の死去に伴う07年の補選で当選、自民に復党した坂本は、総務大臣政務官の実績を強調。個人後援会に加え、故松岡農水相を支えた支持者や友好団体との融和、浸透に力を入れる。08年末に自民を離党した三浦は、農林水産副大臣の経験など農政通を打ち出し、農業者を中心に支持拡大に躍起。後藤は、ミニ集会やつじ立ちで、反自民票や無党派層の取り込みに力を注ぐ。

  【4区】自民園田に、元自民県議の国民新松永が挑戦。園田は首長と県議、市・町議はじめ、農業や商工、建設など各種団体の組織を固めを進め、地域、団体ごとの国政報告会で党政調会長代理の実績を訴える。松永は特定郵便局長OBらが中核。民主、社民との共闘をテコに、広報車による街頭宣伝やミニ集会で浸透を図る。

  【5区】自民金子に元八代市長の社民中島が挑む。両陣営とも8月23日の八代市長選をにらんだ対応。金子は現職市長と連動し、各種会合やミニ集会を重ね、友好団体や支持者回りを強化。中島は、元市長の知名度を生かし同市を中心に集会や街頭演説を小まめに展開。野党共闘による政権交代を訴える。(衆院選取材班)

 ▽8選挙区で接戦
 【福岡】(11)
 8選挙区で自民、民主が接戦を展開している。2区では自民山崎が民主新人の猛追を受け、組織力で振り切ろうと躍起。3区では農相を引責辞任した自民太田が民主元職に先行を許す。10区でも自民西川は郵政選挙のような追い風が期待できず、民主元職に苦戦を強いられている。
 5区は自民、民主の現職対決。7区は元市長の民主野田が自民選対委員長の古賀誠の地盤に切り込んでいる。4、6、9区で一歩リードの自民現職も保守層離反が懸念材料。1区は民主松本、8区は自民麻生が盤石で、11区は公認調整がつかない自民現職2人の争い。

 ▽2区は農漁業票が鍵
 【佐賀】(3)
 2区で前回は比例復活の民主大串が雪辱を期し、地元活動の強化で自民今村を猛追。農漁業票が鍵となりそうだ。1区は過去1勝1敗の現職対決だが、知名度で勝る民主原口が勢いを強め、自民福岡は巻き返しに必死。3区は自民政調会長の保利が盤石で、党の処遇が決まらない広津は窮地。共産、社民も擁立する。

 ▽2区で新人健闘
 【長崎】(4)
 2区で10期目を狙う元防衛相久間に対し、元薬害肝炎訴訟九州原告団長の民主新人福田が健闘。都市部では浸透を深めており、農村部で久間の固い地盤に食い込めるかが焦点だ。3区は自民谷川と民主山田の接戦。4区で民主宮島は前佐世保市長の支持を取り付け、自民北村を追う。1区は民主高木が無難な戦い。

 ▽野党協力で追い上げ
 【大分】(3)
 2区は自民衛藤と社民重野、3区は自民岩屋と民主横光による現職同士の争い。自民は支持基盤を着実に固める戦術で、民主と社民は野党協力で追い上げを図る。1区は民主吉良がミニ集会などで支持を拡大。追う自民穴見は街頭活動で知名度アップに取り組み、支援組織の引き締めにも精力を注ぐ。共産も擁立。

 ▽自民1区で亀裂
 【宮崎】(3)
 1区は民主、社民、国民新推薦の無所属川村に有利な状況。自民は県連が公募で元自治相上杉の擁立を決めたが、党本部が公認の内定を留保し、中山成彬前国交相も昨年表明した不出馬の撤回を模索し始めるなど亀裂が残る。2区は民主道休の知名度不足もあり、自民江藤が優勢。3区は自民古川が安定。

 ▽競り合う1区
 【鹿児島】(5)
 1区は過去4回連続で比例復活だった民主川内が、前法相の自民保岡と競り合いに持ち込んでいる。3区は郵政造反組の国民新松下が労組からの支援を受け、自民宮路と接戦。2区は民主打越に対し、離島に厚い地盤を持つ自民徳田がリード。4区では自民小里を民主皆吉が追う。5区の自民森山は安定。

 ▽分裂で混戦続く3区
 【沖縄】(4)
 3区は与野党ともに分裂したままで混戦が続く。自民嘉数に元県議小渡が反旗を掲げ、民主、社民もそれぞれ新人を公認して譲らない。1区では自民国場が公明の支援を受け、4期目を狙う国民新下地と激戦。下地は民主から推薦を得たが、社民票も取り込めるかが課題。2区は社民照屋が優勢。4区は自民西銘を民主新人が追う。

 ▽全勝目指す民主
 【北海道】(12)
 新党大地の支援を得る民主が多くの選挙区でリード、全勝を目指す。自民は閣僚、党三役経験者でも気を抜けない戦い。
 1区は民主横路が自民長谷川に先行。小泉チルドレンの杉村太蔵は出馬を断念した。民主は党代表の9区鳩山や4区鉢呂、8区逢坂、10区小平が自民の現職、新人を相手に優勢。2区と6区は自民、民主の現職同士、3区は自民現職と民主元職、7区は民主現職と自民新人の接戦となっている。繰り上げ当選の11区民主石川は自民中川に、比例復活の12区民主松木は自民武部にそれぞれ迫る勢い。5区は民主元職が自民町村を追っている。

 ▽自民津島に危機感
 【青森】(4)
 5人が出馬予定の1区は自民津島雄二と民主横山が接戦。津島は高齢多選批判を懸念、4月の青森市長選で支援した現職の敗北で危機感を強める。3区は自民大島と民主田名部の一騎打ち。2区は自民江渡を民主中野渡が、4区は自民木村を民主津島恭一がそれぞれ追う。社民は2~4区で民主を支援する。

 ▽議席独占狙う民主
 【岩手】(4)
 民主は議席独占を狙うが、西松建設の巨額献金事件がどう影響するか。国替えが取りざたされた民主小沢は4区から出馬との見方が地元では大勢。自民は小沢の元秘書高橋嘉信が挑む。2区は自民鈴木を民主畑が激しく追い上げる。民主は1区階、3区黄川田がそれぞれ優位。共産、社民は1、4区に擁立する。

 ▽民主3議席以上狙う
 【宮城】(6)
 民主は5区のほか仙台市の1、2区で勢いがあり3議席以上を狙う。前回5議席の自民は組織を固め迎え撃つ。1区は自民土井、民主郡の現職同士が激戦。2区は元民放気象キャスターの民主斎藤恭紀が知名度を生かし、自民中野と競り合う。3区は自民現職と民主元職が互角の戦い。4区は自民伊藤を民主石山が追う。5区は民主安住に自民斎藤正美が3回目の挑戦。社民の現職がいる6区は自民が安定。共産は1、4区以外、候補擁立を見送った。

 ▽3区は三つどもえか
 【秋田】(3)
 3区は自民現職の御法川に加え、復党した村岡が無所属で出馬の構え。民主京野との三つどもえの争いとなりそう。1区は民主寺田が先行、自民二田が追う。2区は前回参院選で落選した自民金田が優位。社民は山本。民主と社民は全選挙区で共闘するが、別候補を支援した4月の知事選のしこりを懸念する声がある。

 ▽2区で民主優勢
 【山形】(3)
 2区は選挙区初勝利を目指す民主近藤が集会を重ねて支持層を拡大、優位に立つ。自民新人の鈴木は街頭活動を中心に知名度アップに全力を挙げる。1区は自民遠藤と雪辱を期す民主鹿野が激突。無所属伊藤は無党派層に期待する。3区は自民加藤が盤石。社民は吉泉を立てた。共産は1、3区に新人を擁立する。

 ▽国替え太田が猛追
 【福島】(5)
 2区は千葉から国替えの民主太田が集会や街頭活動で浸透を図り、自民根本を猛追する。自民は5区のコスタリカ方式を解消し吉野が3区に転出したが、3区では民主玄葉が優位。5区に残った自民坂本と、民主吉田は接戦。1区は自民亀岡を民主石原が追う。4区は民主渡部恒三が自民渡部篤を引き離しにかかる。

 ▽6区で民主追走
 【茨城】(7)
 6区では、自民から離反した県医師連盟の支援を受けた民主大泉が、元厚相の自民丹羽を追走する。1区は民主福島が農相辞任の自民赤城の地盤である農村部に切り込み、接戦の見通し。3区は自民葉梨に、民主小泉が都市部の無党派層取り込みを図って対抗。5区は労組票を固める民主大畠が自民岡部をリード。7区は強固な後援会を持つ無所属中村と自民永岡の組織戦。4区は自民梶山が優勢、自民の2区額賀は盤石。

 ▽佐藤、山岡が拮抗
 【栃木】(5)
 4区は自民佐藤と民主山岡の現職同士が拮抗(きっこう)、前回より接戦か。3区は自民が元行革相渡辺の離党で対抗馬を模索するが、民主は擁立見送りの方針。2区で自民は西川を公認する方向だが、森山との調整問題が尾を引き、民主福田が知事出身の知名度を生かし有利に。1区は自民船田を民主石森らが追う。5区は自民茂木が安定。

 ▽現職対決で2区激戦
 【群馬】(5)
 2区は前回小差で負け比例復活した民主石関と自民笹川が再び激戦。擁立を見送った共産票の行方が鍵となりそう。1区は民主宮崎が自民尾身の支持層切り崩しを狙う。3区は自民谷津が民主柿沼をリード。4区は自民の前首相福田が安定、民主は候補擁立を急ぐ。5区は少子化担当相の自民小渕が盤石。

 ▽県都制し民主に勢い
 【埼玉】(15)
 全選挙区に現職がそろう自民に対し、5月のさいたま市長選で支援候補を当選させた民主が攻勢を強めている。
 民主は前回小選挙区で当選した3人のうち5区枝野、6区大島が安定。1区武正は同市長選で敗れた自公系現職を支援した点が不安材料。比例復活の3区細川、4区神風、7区小宮山、15区高山は小選挙区当選を狙う。
 自民は10区山口、12区小島、14区三ツ林が議席確保に必死。唯一の民主空白区の11区は郵政造反組の元職小泉が、“刺客”だった自民新井に雪辱を期す。9区の自民大塚は比例東京からの転入。
 2区の自民新藤と民主石田は5回目の対決。8区は自民と民主の争いに共産が絡む。社民が唯一候補を擁立する13区は民主新人や元職も交え混戦。

 ▽不安残る自公協力
 【千葉】(13)
 3月の知事選で森田健作知事を支援した自民の一部と、別の候補を推した公明との選挙協力に不安が残る。民主は小選挙区で1勝12敗と惨敗した前回の雪辱を期す。
 1区は民主田嶋と引退する自民の元法相臼井日出男の長男正一、2区は自民山中と民主黒田、7区は民主内山と自民斎藤の接戦。3、5、6、8、13区は民主元職と自民現職が競る。郡部の10、11、12区は自民現職に民主新人が挑む。
 4区は前回小選挙区を制した民主野田が優位。9区は民主奥野が自民水野を追う。共産、社民は比例票の上積みを狙って追加擁立を目指す。

 ▽過半数うかがう自公
 【東京】(25)
 自公は24勝1敗と圧勝した前回の勢いはないものの、過半数の議席をうかがう。民主は首都決戦を制するため、都連会長に菅を据え、追い上げを図る。自民は12区で公明太田を全面支援、民主は候補擁立を急ぐ。前哨戦と位置付けられる7月都議選が選挙戦の行方を左右しそうだ。
 区部の17選挙区のうち、自公は1区与謝野、8区石原伸晃、10区小池のほか4、9、11、12、13、14、16、17の11選挙区で優勢。民主は6区小宮山、7区長妻が安定。2、3、5区は競り合う。15区は故柿沢弘治元外相の長男の未途が参戦し混沌(こんとん)。
 多摩地区の8選挙区では、民主は18区の菅が盤石のほか19、20、21区で議席を狙う。自民は22、25区で引き離しにかかり23、24区は接戦。
 民主は8区で社民保坂、11区で新党日本有田、25区で国民新真砂を推薦するが、いずれも苦戦を強いられている。

 ▽河野引退で17区乱戦
 【神奈川】(18)
 前回、全選挙区で敗北した民主がどこまで巻き返せるかが焦点。17区は衆院議長河野洋平の引退で乱戦。11区は元首相小泉純一郎が後継指名した次男進次郎に、民主新人の横粂が挑戦。
 1区は官房副長官の自民松本を民主新人が追う。2区は自民菅が浸透。3区は自民小此木と民主岡本が競る。4区は自民現職に元逗子市長の民主新人が対抗。5、7、10、18区は自民現職に民主元職が挑む構図。
 12区は、自民桜井と民主中塚の対決に、社民阿部が絡む。14、16区は自民、民主の接戦。公明上田と民主池田が激突する6区は自民支持層の動向が鍵。13、15区は自民の甘利、河野太郎がリード。8区は無所属江田が優勢。9区は民主笠が安定。

 ▽民主西村が先行
 【新潟】(6)
 1区は民主西村が労組票をまとめ、自民吉田に先行。2区は自民近藤がややリード。社民との連携を解消した民主鷲尾は危機感を強める。3区は民主黒岩が保守層への浸透を図り、自民稲葉は組織票固めに懸命。4区は民主菊田を自民栗原が追う。無所属田中の5区は知名度の高さが効いて安定。自民米山は大票田長岡市での支持拡大を急ぐ。6区は民主筒井が優勢。共産は1、6区に、社民は2、5区にそれぞれ新人を擁立した。

 ▽3新人で3区混戦
 【富山】(3)
 3区は国民新綿貫民輔が比例単独に転出し、新人3人による混戦。自民橘は地盤の高岡市で強い。民主、社民推薦の無所属相本と、自民を離党した無所属柴田も着実に支持を拡大。1区は自民長勢に比例復活の民主村井が迫る。共産は佐伯を擁立。2区は保守層を固める自民宮腰に社民藤井が挑む。

 ▽森が民主新人を警戒
 【石川】(3)
 2区で元首相の自民森が、民主女性新人の田中の勢いを警戒。頻繁に地元入りして支持者を回るなど票固めに必死だ。1区は4回目の対決となる自民馳と民主奥田の接戦。馳は地元組織の結束に不安を抱え、奥田は労組や無党派層への浸透が課題。3区は自民北村を民主新人の近藤が追い上げる。共産は1区佐藤に全力を傾注。

 ▽1、3区は接戦
 【福井】(3)
 1区は前回比例復活した民主笹木と辛勝の自民稲田が再び競り合う。共産は金元が出馬。3区も接戦で、4選を目指す自民高木に対し、前回1区で落選した郵政造反組の松宮が民主に移り、保守層切り崩しを狙う。2区は自民山本が農村部を中心に安定。追う国民新糸川は民主から出馬予定で知名度アップに躍起だ。

 ▽長崎は無所属出馬か
 【山梨】(3)
 2区の自民は堀内が公認内定を得たが、郵政選挙の“刺客”で比例復活した長崎が反発、無所属でも出馬の意向。民主坂口との三つどもえの激戦か。1区は、逆風だった前回でも当選した民主小沢が優勢。3区は任期途中に市長に転じた自民元職の票をめぐり、自民小野と民主後藤が争奪戦を展開。

 ▽1区で自、民競合
 【長野】(5)
 1区で自民小坂と民主篠原が競り合う。両陣営とも支持者回りや集会で票固めを急ぐが、無党派層の動向が影響しそう。3区は元首相の民主羽田に安定感。2区は民主下条に自民務台、4区は自民後藤に民主矢崎、5区は自民宮下に民主加藤が挑む。共産は全選挙区で、社民は2、5区で擁立し支持拡大を図る。

 ▽3区の民主に勢い
 【岐阜】(5)
 3区は民主園田が自民武藤の地盤に切り込み、勢いを増す。共産の擁立見送りも追い風で、自民県連はてこ入れに懸命。1区の自民野田は、転出した佐藤ゆかりの支持者を取り込むが、しこりも残る。民主柴橋は無党派層に支持を拡大。5区は自民古屋が民主阿知波と差を広げる。2、4区は自民現職が安定。

 ▽7区城内が優位保つ
 【静岡】(8)
 7区は前回落選した郵政造反組の無所属城内が、地道な活動で優位を保ち、自民片山と民主斉木が追い上げを図る。8区は文科相の自民塩谷と民主斉藤進がほぼ互角。共産は元職平賀で戦う。1区は自民上川が民主牧野を一歩リード。2区は自民原田と民主津川、4区は自民望月と民主田村が激しく競る。3区は自民柳沢に民主小山が迫る。5、6区は民主現職の細野と渡辺が、それぞれ比例復活の自民現職に対し優勢。

 ▽民主が12議席狙う
 【愛知】(15)
 民主が新人を重点的に支援し、12議席以上を狙う。中でも6区の元犬山市長石田と7区の元検事山尾の両新人は自民の丹羽、鈴木淳司に先行。1区は名古屋市長に転じた河村たかしの後継に県議を擁立方針で、民主の地盤は固い。
 4区の民主牧は、郵便料金割引制度悪用事件へのかかわりが取りざたされたが、自民藤野に勢いがない。9区は民主岡本に対し元首相の自民海部が苦戦。10区は自民江崎と民主杉本の接戦。12、13区は自民現職がややリードする。15区の自民山本も優位だが、地元市長選をめぐる保守分裂を収拾しきれていない。
 5、8区は前回比例復活の民主現職が安定。2、3、11、14区も民主現職が突き放す。共産は5選挙区で戦う。

 ▽4区の勝敗が鍵
 【三重】(5)
 民主は党幹事長岡田の地元で「小選挙区の過半数を取る」と意気込んでおり、4区の民主森本と自民田村の勝敗が鍵を握る。2区は四日市市長選で党推薦候補を当選させるなど民主中川が着実に浸透する。3区の岡田は盤石。1区は自民川崎と民主中井が現職同士で接戦。5区は自民三ツ矢を民主新人の藤田が追う。

 ▽民主、全区でリード
 【滋賀】(4)
 全選挙区で民主が一歩リードし、自民が追う構図。1区は民主川端が安定し、自民上野は小集会や街頭演説で巻き返しに必死。2区は民主田島が市部で有利。自民藤井は郡部を固める。3区は民主三日月が自民宇野を抑える。4区の自民は引退する元農相の後継が武藤に代わり、浸透はこれから。民主奥村が上回る。

 ▽伊吹は支持層固める
 【京都】(6)
 1区は街頭演説などで知名度を上げた民主平の勢いに危機感を抱いた自民伊吹が、支援団体や後援会組織をフル回転させ厚い支持層を固めた。「必勝区」と位置付ける共産穀田も活発だ。4区は民主北神が先行するが、郵政造反組で落選中の無所属田中と自民中川が激しく追い上げる。5区は自民谷垣が強く、民主小原は保守層の切り崩しが課題。民主現職の2区前原、6区山井は安定し、3区は民主泉が自民清水を一歩リードした。

 ▽大幅議席増狙う民主
 【大阪】(19)
 前回は与党が17勝2敗と圧勝したが、民主が大幅な議席上積みを狙う。
 民主は1区の新人熊田が自民中馬に迫る。4、8、9、12区でも元職が自民現職と競り合う。17区は自民岡下、民主辻、改革クラブ西村の事実上の三つどもえ。
 自民は小泉チルドレンが苦戦。2区の川条は地元の府議、市議が離反。7区の渡嘉敷は民主藤村に先行を許し、11区の井脇も関係学校法人をめぐる不明朗な会計処理問題の影響が避けられない。
 公明は3、5、6区で議席維持の勢い。16区は党幹事長北側が民主森山の追撃をかわそうと必死。10区の社民辻元は民主推薦が追い風。18区は自民中山、19区は民主長安が一歩リード。13~15区は自民現職が優勢。共産が全選挙区で擁立する。

 ▽自民と連携図る冬柴
 【兵庫】(12)
 8区は公明冬柴が、まだ明らかになっていない民主の対抗馬との対決に備え、地元市議選を通じ自民との連携を深める。自民の1区盛山、3区関は厳しい戦い。2区公明赤羽はややリード。
 自民現職の4区井上、5区谷、7区大前、10区渡海はいずれも組織力では民主候補を上回るが、無党派層の動向次第で逆転もありうる。6、11、12区は自民と民主の現職同士が激しく争う。9区は自民西村が優位。共産は擁立を6選挙区に絞った。自民は、地元選出の参院議員鴻池祥肇が、女性問題報道で官房副長官を辞任した影響が懸念材料。

 ▽3区は激戦模様
 【奈良】(4)
 3区は王寺町長選で推薦候補が勝つなど民主吉川に勢いがつき、自民奥野と激戦模様に。1区は民主馬淵が順調に支持を広げる一方、郵政造反組の森岡が自民に復党し、活動を強める。2区は自民高市と、民主推薦の滝がしのぎを削る。4区は自民田野瀬を、橿原市議選で党勢を伸ばした民主大西が追う。

 ▽二階、楽勝気分なし
 【和歌山】(3)
 3区は西松建設側からの献金問題が取りざたされた自民二階に楽勝ムードはない。民主玉置は徹底した地元回りで保守層を切り崩す。1区は再挑戦の民主岸本が連日の街頭演説で無党派層を取り込みややリード。自民谷本は足場固めを急ぐ。2区は自民石田が知名度で上回るが、民主阪口が猛追する。

 ▽2区は自、民譲らず
 【鳥取】(2)
 2区は自民赤沢と民主湯原が譲らず拮抗(きっこう)。赤沢は女性後援会を軸に支持を訴え、湯原は参院議員川上義博と連携、経済界の一部を取り込んだ。米子市の無党派層の動向が鍵となりそう。1区は自民の農相石破に元秘書の民主奥田が挑む“師弟対決”だが、石破が知名度で圧倒。奥田は国民新の支援を受けるが苦戦。

 ▽竹下、亀井が横一線
 【島根】(2)
 2区は自民竹下と国民新亀井が横一線の大激戦を続ける。竹下はこれまでは出席しなかった小集会にも顔を出すなど、選挙区をくまなく回る。亀井は参院議員の長女亜紀子が精力的に地域の行事などに参加。連合や民主も全面的に支援する。1区は自民細田が優位を保つ。民主小室は追い上げを図るが、浸透は不十分。

 ▽1区は民主猛追
 【岡山】(5)
 1区は8選を目指す自民逢沢を民主高井がミニ集会や街頭演説を重ねて猛追する。2区は民主津村に勢いがあり、自民萩原らをリード。4区は民主柚木が運動量で自民橋本に勝る。自民がコスタリカ方式にした5区の加藤は、比例に回る村田吉隆支持層に浸透できるかが課題。3区は無所属平沼が安定。

 ▽引き締め図る中川
 【広島】(7)
 4区の自民中川は民主空本の追撃をかわそうと支持層の引き締めに躍起。3区は民主橋本が猛追し、自民増原はコスタリカ方式で比例に回る河井克行との連携が鍵。自民、民主の現職対決となる2、5区は激戦。2区は民主松本がやや先行。5区は自民寺田が民主三谷を前回推した経済界の支援を取り付けた。三谷は労組票で足場固め。1区は自民岸田、6区は国民新亀井が圧倒。7区は自民宮沢と民主和田が競り、中選挙区時代の亀井票を奪い合う。

 ▽平岡と山本が再戦
 【山口】(4)
 昨年の補選と同じ顔触れの2区が焦点。民主平岡は自民山本の出身地の柳井市長選で支援候補が勝ち弾みを付けた。山本は徹底した地元回りで劣勢挽回(ばんかい)を図る。1区は自民高村が安定。3区は官房長官の自民河村に民主三浦が再挑戦する。4区は自民安倍が優勢。

 ▽七条票の行方影響
 【徳島】(3)
 2区は民主高井と首相補佐官の自民山口との熱戦。高井は保守層が厚い県西部でも行事参加や集会を精力的にこなす。山口は公認争いのしこりが残る比例の七条明支持票が高井に流れるのを警戒する。1区は民主仙谷がリード。自民岡本は市街地の支援者回りに力を注ぐ。3区は自民後藤田に民主仁木が食い下がる。

 ▽2区は攻守逆転か
 【香川】(3)
 2区は元財務官僚の民主玉木の支持拡大が頭打ちとなってきたのに対し、少人数集会を重ねてきた自民木村は、攻勢を強め8選を目指す。1区は民主小川が若さをアピールし、自民平井は陣営の立て直しに躍起。3区は自民大野が一歩抜け出した。社民米田と父が元自民参院議員の無所属真鍋は伸び悩む。

 ▽永江、塩崎は互角
 【愛媛】(4)
 1区は民主永江と自民塩崎がほぼ互角の激戦。知名度で負けない永江は一時の勢いこそないが、無党派層を中心に浸透。塩崎は懸命に支持者をまとめる。3区は街頭演説を繰り返す民主白石洋一を、自民白石徹が県議で培った組織力で猛追。4区は自民山本が民主高橋、保守系無所属の桜内を引き離しつつある。2区は自民村上が安定。

 ▽根強い橋本人気
 【高知】(3)
 1区は知事を16年務めた無所属橋本が知名度で優位に立ち主婦層の人気も根強い。過去の知事選でも有権者各層から幅広く票を集めた橋本に対し、自民福井と民主田村は支援組織固めで対抗。2区は自民中谷が安定した戦い。3区は自民山本が熱心な地域回りで、一時肉薄された民主中山との差を再び広げだした。

 ▽危機感から組織戦―自民
  現有23議席確保を―公明
 【与党】
 自民党は、次期衆院選の比例代表への取り組みについて「衆参議員が一体」(菅義偉選対副委員長)となって党支持団体への引き締めを図り、2005年の郵政選挙のような浮動票ではなく、組織票を積み上げる“原点回帰”の戦略で民主党を迎え撃つ方針だ。
  だが共同通信社の最新世論調査で比例代表の投票先について、民主党に10ポイント以上差をつけられていることから、過去最低だった00年の56議席を「やや上回る程度に落ち込む」(選対関係者)という悲観論もある。
  こうした危機感を背景に4月には、来年夏の参院選に向け、党支持団体を基盤とする「組織内候補」を中心に通例より約1カ月ほど前倒しして第1次公認候補を決定。衆院選比例代表は当選が事実上、保証される上位ランクの優遇候補を絞り、小選挙区候補同士の競り合いで比例票の掘り起こしを狙う。
  また、古賀誠選対委員長はこれまで(1)自民党の小選挙区候補が「比例は公明党」と呼び掛ける自公協力の見直し(2)小選挙区と比例代表で交互に出馬する「コスタリカ方式」や比例単独候補の全廃(3)比例代表73歳定年制の厳格適用-などを掲げて調整を進めてきた。
  ただ自公協力の見直しは、公明党の反発を受け「比例代表ブロックごとに対応を変える」とトーンダウン。コスタリカも8選挙区のうち解消は神奈川12区など3選挙区にとどまった。
  一方、公明党は現有23議席の確保が第一の目標だ。さらに、元職や参院議員からのくら替えを公認した東北、北関東、近畿、九州の各ブロックで議席増を狙う。ただ、自民、民主両党の二大政党に埋没しかねないとの懸念を強めており、社会保障政策などで独自色を発揮したい考えだ。
  また、与党寄りの立場の改革クラブは大阪17区に擁立する現職を比例に重複立候補させる予定。

 ▽底堅さには自信―民主
  比例で大幅増を―共産
 【野党】
 民主党は、西松建設巨額献金事件で小沢一郎前代表への批判が高まった時期でも、各種世論調査で比例代表の投票先として一定の支持を維持したことから、政権交代を求める民意は底堅いと自信を深めている。
  比例代表の単独候補は置かず、小選挙区候補を比例名簿で横並びの1位とする原則は堅持。各候補に、小選挙区での勝利を目指す姿勢を徹底させる狙いからだ。比例の目標議席は設定していないが、政権交代のためには過去最多となった2003年の72議席を大きく上回る必要がある。
  鳩山由紀夫氏への代表交代で党勢は回復傾向にあるが、赤松広隆選対委員長は「(小選挙区と比例の合計で)単独過半数が可能だった事件前の勢いは戻っていない」と指摘する。
  共産党は小選挙区候補を全選挙区の半分に当たる150人程度にとどめ、主に比例代表の議席獲得に精力を注ぐ。全国11ブロックすべてで議席を獲得し、現有9議席からの飛躍を目指す。「派遣切り」をめぐる国会論戦などが注目され、若年層を中心に党員が増えているのは好材料だ。
  社民党は小選挙区と比例代表合計で約40人を公認し「2けた」議席を目標に掲げるが、現状は厳しそう。近畿、九州ブロックは小選挙区と合わせて2議席、北信越ブロックも新たな議席獲得を狙う。雇用、社会保障などの政策転換を訴えて支持の浸透を図る。
  国民新党は北信越ブロックの比例単独に回る綿貫民輔代表の議席確保に全力を挙げる。新党日本は東京、近畿ブロックなどで候補を擁立し、議席を確保したい考え。新党大地は鈴木宗男代表が北海道ブロックから立候補を予定しているほか、元郵政相の擁立も検討している。



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