時事解説

2009年06月22日号

【検察と政治】
検察側の西松建設・前社長国沢幹雄被告らに対する論告要旨、「小沢事務所とも協力して献金名義や受け皿を複数分散し、1口当たりの寄付金額を極力抑える工作も行われた」と指摘、本誌編集長のコメント


●共同通信の配信記事
 共同通信は19日、前社長国沢幹雄被告らに対する論告要旨として次の記事を配信した。
「西松建設の巨額献金事件で、政治資金規正法違反罪などに問われた前社長国沢幹雄被告らに対する検察側の論告要旨は次の通り。」
 【外為法違反事件】

 本件は海外で捻出(ねんしゅつ)した裏金を日本国内での工事受注資金などに充てるため必要な届け出をせずに輸入したもので、動機に酌量の余地はない。裏金を捜査・税務当局の目から覆い隠したマネーロンダリング行為の一環で、外為法改正の趣旨を没却した悪質な犯罪である。
 【政治資金規正法違反事件】
 本件寄付は公共工事で小沢一郎事務所から「天の声」を得るのが目的。新政治問題研究会と未来産業研究会の名義を使って寄付の主体を偽り、小沢事務所からの便宜供与で公共工事を受注してきたという談合の構造・実態を隠ぺいしたものである。西松建設と小沢議員側の関係を国民の目から覆い隠した点で、寄付を収支報告書に記載しない闇献金と何ら異なるところはない。
 西松建設は国民監視を逃れて1996年以降、談合の本命業者となり、少なくとも4件の公共工事(落札額計約122億円)を94・5〜99・2%の高い落札率で受注、納税者である国民に負担を強いてきた。政治腐敗を防止する政治資金規正法の趣旨・目的を踏みにじる極めて悪質な犯行だ。
 この献金の枠組みは94年の同法改正を無にするため西松建設が会社組織を挙げて運営していた。
 献金原資となる裏金の捻出は、忠誠心の強い社員の賞与に上乗せして払わせたりするなど、新政研・未来研が隠れみのにすぎないことが露見しないよう極めて周到、巧妙な偽装工作がなされた。

西松建設側から小沢議員側政治団体への献金は、95年から06年の間に2億円を超え、特に97年以降は毎年、2500万円を寄付するとの小沢事務所側との取り決めで恒常的に行われた。新政研・未来研を使った枠組みによる献金は12年間で計1億2900万円に上り、本件犯行は継続的・組織的な多額違法献金の一環として行われた。その間、収支報告書の献金額が高額となり社会の耳目を引くことがないよう、小沢事務所とも協力して献金名義や受け皿を複数分散し、1口当たりの寄付金額を極力抑える工作も行われた。
 国沢被告は献金の枠組みを構築し、経営の枢要な立場から小沢氏側への違法献金のすべてについて主導的に関与した。その責任は重い。

●本誌編集長のコメント
「国沢被告の執行猶予付有罪は確実である」

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