●asahi・com配信記事 大阪地検特捜部は14日に逮捕した事件が起きた当時厚労省障害保健福祉部企画課長だった元雇用均等・児童家庭局長、村木厚子容疑者(53)の取り調べが難航しているようだ。
asahi・comは20日5分、
「郵便不正、前局長は活動実態ない団体と認識 特捜部調べ」という見出しで次の記事を配信した。
「自称・障害者団体「凛(りん)の会」(現・白山会)を郵便割引制度の適用団体と認めた偽の証明書が厚生労働省で発行された事件で、当時課長で前雇用均等・児童家庭局長の村木厚子容疑者(53)が同会に活動実態がないと知りながら、発行手続きを進めるよう部下に指示した疑いがあることが大阪地検特捜部の調べでわかった。凛の会や同省の関係者の話で判明したという。
特捜部は、村木前局長が同会が適用団体の要件を欠くと認識しつつ、証明書の偽造を指示したとみて調べる。前局長は、虚偽有印公文書作成・同行使の容疑を否認しているという。
凛の会元会長(白山会代表)の倉沢邦夫容疑者(73)=同容疑で再逮捕=の供述によると、倉沢代表は04年2月下旬、障害保健福祉部の企画課長だった村木前局長と面会した際、「会は立ち上げたばかりで活動実態がない。会員にも障害者はほとんどいない」と説明したとされる。前局長は、上司の元部長(退職)から証明書発行の依頼は聞いていると答えたという。
また、厚労省関係者の証言によると、村木前局長はその直後、担当係長らに「まだ活動がほとんどない団体。大変な案件だけどよろしく」と話し、証明書の発行業務を進めるよう指示したとされる。同4月、後任の係長に着任した上村勉容疑者(39)=同容疑で再逮捕=が業務を引き継いだ際には、村木前局長の意向も伝えられたという。
一方、倉沢代表は調べに「凛の会は商売目的で設立した」と説明。障害者団体向けの郵便割引制度の悪用で金もうけをするため、かつて私設秘書を務めた民主党国会議員に厚労省側への口添えを頼み、証明書を不正に入手しようとしたと述べたという。
これまでの調べによると、元部長の証言で、この議員が04年2月、旧知の元部長に同会への対応を求め、元部長が村木前局長らに「議員案件」の処理を指示したとされる疑者(53)が同会に活動実態がないと知りながら、発行手続きを進めるよう部下に指示した疑い。
●産経新聞配信記事 産経新聞は20日13時22分、
<【郵便不正】 村木容疑者「偽造ありえない」>という見出しで次の記事を配信した。
「障害者団体向け割引郵便制度の悪用をめぐる虚偽有印公文書作成事件で、大阪地検特捜部に逮捕された厚生労働省元雇用均等・児童家庭局長、村木厚子容疑者(53)の弁護人が20日、産経新聞の取材に応じ、村木容疑者が「証明書をめぐり不正をしたことは一切ない」と話していることを明らかにした。
弁護人によると、村木容疑者はこの日の接見で「日常業務から考えて証明書を偽造するなんてありえない」などと主張。民主党国会議員の“口利き”があったとされる点も「特別記憶に残ってはいないし、政治家とやりとりする理由もない」と否定しているという。
また、障害者団体「凛の会」主要メンバーの倉沢邦夫容疑者(73)らと面会したかどうかについて、弁護人は「少なくとも記憶に残る会い方はしていないということだ」と話した」
●本誌編集長のコメント「凛の会の倉沢邦夫容疑者、厚生労働省障害保健福祉部係長の上村勉容疑者らの供述によって元雇用均等・児童家庭局長、村木厚子容疑者は既に外堀は埋まった感じなのだが、同容疑者は否認を続けているとされる。大阪地検特捜部は否認でも起訴するだろうが、予期しない抵抗に遭遇。拘置延長が許可されるのは確実で7月の拘置満期までの検察とエリート官僚との攻防が注目される」