|
|
きょうのコラム「時鐘」 2009年6月23日
「ポイント制」の大流行である。海外からの人材確保にも、職歴や研究実績をポイント化して、水準以上の人を優遇する制度を政府が作るという。国内の人材を招く都市間競争でも同じことが言えるだろう
アンサンブル金沢の井上道義音楽監督が「熱狂の日」についての北國文華40号への寄稿で「外者(そともの)の僕」と面白い表現をしていた。街が外の風に当る大切さを説く井上さんらしい表現である 「外人」の表記が「外国人」になったのは「外人=外の人=よそ者」であり「内にとけ込まない人」と差別する危惧(きぐ)があるからだった。「外者」は、よそ者ではない。内側からは見えにくい事柄を指摘し、外から刺激をする人、の意味だろう と、感心していたら、本紙「照る日曇る日」で、海老名香葉子さんが自分のことを「昔者(むかしもの)」と表現していた。老人でも、年寄りでもない。古い知恵やしきたりを大事にする人を「昔者」と言ったのである 街も人も、外からの刺激で古い文化が生かされ、新しい力になる。そのためには内外、新旧の意識が溶け合うことが大事だ。外者・井上さん、昔者・海老名さん。2人のポイントアップは確実である。 |