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北朝鮮・核問題:イランより深刻 甘い国連制裁

 【ニューヨーク小倉孝保】国連安全保障理事会が採択した対北朝鮮追加制裁決議の実行が焦点となっているが、これを対イラン制裁と比べると、これまでの対北朝鮮制裁が極めて緩かったことがわかる。北朝鮮の核問題では一時、6カ国協議が進展したことに加え、中国が制裁に慎重な姿勢を取り続けてきた事情が背景にある。

 北朝鮮の主な安保理決議(制裁)は、06年10月の核実験で採択された決議1718。それに今回の決議が加わった。一方、イランへの制裁を規定した主な安保理決議は、06年12月の決議など3本。北朝鮮の場合、核実験での制裁だが、イランは核開発疑惑解明のために国際原子力機関(IAEA)に完全な協力をしないままウラン濃縮活動を継続していることに対する制裁だ。北朝鮮の核問題がイランに比べ深刻なのは間違いない。

 しかし、これまでの制裁をみると、逆にイランに対して厳しい。北朝鮮の場合、金融機関の資産凍結は4月の弾道ミサイル発射実験を受けて初めて3企業に実施された。個人の資産凍結や移動制限などは科されていない。

 イランについては既に核開発などに関与する10団体、12個人について資産凍結を加盟国に義務付けたほか、12個人について入国などがわかった場合、安保理制裁委員会に通知するよう、事実上の移動制限が科されている。また、金融制裁も、北朝鮮には今回初めて、人道・開発目的以外の新規融資凍結などが科されたが、イランでは既に、貿易のための新規金融支援停止を各国に求めている。

 西側外交筋はこうした状況に、「イラン制裁が北朝鮮よりもかなり先を行っていたのは事実」と説明する。

毎日新聞 2009年6月22日 東京朝刊

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