市民グループ「細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会を支援するネット・ちば」のメンバーが22日、県庁で会見し、国による早期のワクチン定期接種化などを訴えた。
細菌性髄膜炎は、脳や脊髄(せきずい)を覆う髄膜に細菌が入り、炎症を起こす病気。治療が遅れると脳や手足に障害が残り、死亡することもある。国内の5歳未満の患者は年間推定約1000人で、6割がヒブ(Hib)、3割が肺炎球菌で発症するという。
同グループは、患者や家族らがつくる「細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会」(大阪市)の支援のため、県内の小児科医らで5月に発足。県内全市町村議会へ働きかけ、国への意見書の採択を進めている。
乳幼児へのワクチン定期接種は既に133カ国で行われているが、日本は対応が遅れ、昨年末ようやくヒブワクチン接種を開始。任意接種のため4回で約3万円の自己負担となり、経済的な理由で接種できない子供が多く、ワクチン数も不足。肺炎球菌のワクチンは今も未承認だ。グループ事務局の吉川恵子さんは「定期接種がないのは先進国では日本だけ」と必要性を訴えている。【倉田陶子】
毎日新聞 2009年6月23日 地方版