【社会】空自操縦士の退官急増 3年連続20人、イラク空輸影響か2009年6月23日 朝刊 航空自衛隊の花形とされる操縦士が、昨年まで3年連続で20人ずつ自衛隊を辞めていることが分かった。それまでは、毎年、年に数人しか辞めていなかった。急増したのは、イラクの首都バグダッドへの空輸が実施された時期と重なる。防衛省は「イラク空輸と退官者増の因果関係は不明だ」とするが、「ゆゆしき事態」として調査に乗り出した。 防衛省人事計画・補任課によると、航空自衛隊の操縦士は例年数人の退官者がおり、2004年は3人、05年は5人で推移していたが、06〜08年は毎年20人に急増した。操縦士の退官者増は空自だけの傾向で、陸上、海上自衛隊に変化はないという。 退官の理由は「家業を継ぐ」「一身上の理由」など。「自信がなくなった」という人もいた。戦闘機操縦士と輸送機操縦士の退官者の割合は「過去と同程度」(防衛省)。 空自の操縦士は約1700人で、いずれも幹部自衛官。大量退官により、戦闘機操縦士の勤務期間を延ばさなくてはならないなど、影響が出ている。 退官者が急増した06年は、イラク復興支援特別措置法に基づき、クウェートを拠点にC130輸送機が空輸活動を実施中の時期。 操縦士の育成には2年の月日と約5億円の費用がかかる。
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