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イランのデモ、武力鎮圧情報も 革命防衛隊投入か

2009年6月23日0時56分

写真:テヘランの街頭に並ぶイランの治安部隊。インターネット上のコミュニケーションサービス「ツイッター」に、21日に投稿された=ロイター
テヘランの街頭に並ぶイランの治安部隊。インターネット上のコミュニケーションサービス「ツイッター」に、21日に投稿された=ロイター

 【テヘラン=吉武祐】大統領選後の混乱が続くイランで、首都テヘランでは22日も選挙のやり直しを求める改革派の市民らが集まってデモ行進した。これに対し革命防衛隊は同日、デモが行われれば「粉砕する」と事前に警告。治安部隊がデモ隊を武力で鎮圧、解散させたとの情報もあり、状況は緊迫している。

 目撃者の話によると、市中心部のハフテティール広場に数百人が集まり、「独裁者に死を」など現政権を批判するスローガンを叫んだ。治安部隊が群衆を解散させるため、催涙弾を発射。AP通信は、空中への発砲音も聞こえたと伝えた。

 しかし、ムサビ氏陣営はこの日、今回のデモの計画は事前に伝えておらず、先鋭化した一部の支持者が街頭に出たとみられる。こうした騒乱が今後も続けば、流血の事態は避けられそうもない。

 一方、革命防衛隊はウェブサイトで、抗議行動を「違法な行為」と断じる声明を発表。「防衛隊は暴徒らと断固対決する」と宣言した。

 防衛隊は対テロ作戦などを担う、指導部の親衛隊的な軍事組織。デモ鎮圧にはこれまで治安警察や志願民兵バシジがあてられてきたが、精鋭部隊の防衛隊が鎮圧に投入されれば、当局が今回の騒乱を「内乱」と認定することになる。同時に、治安情勢に当局が相当の危機感を抱いていることの表れともいえそうだ。

 イラン外務省も22日、一連のデモは欧米各国とメディアに支援されていると指摘。「容認できない」(報道官)と対決姿勢を強調した。

 一方、国営放送によると、選挙結果への異議申し立てを審査している護憲評議会の報道官は21日、投票者数が有権者数を上回った都市が50あったことを明らかにした。ただ、ムサビ氏陣営が異議を申し立てていた数を下回るといい、「選挙結果には影響を与えない」と語った。

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