【ソウル西脇真一】韓国のKBS(韓国放送公社)テレビは15日、北朝鮮の金正日(キムジョンイル)総書記(67)の後継者に内定したとされる三男正雲(ジョンウン)氏(26)の側近が、中国・マカオ滞在中の長男正男(ジョンナム)氏(38)の暗殺を計画したが、先週初めに中国当局に察知され、失敗したと報じた。中国当局は正男氏を保護しており、亡命の可能性もあるという。中国政府筋の話として伝えた。
報道によると、正雲氏側近は、北朝鮮国内の正男氏側近をまず排除し、次にマカオにいる正男氏本人の暗殺を狙った。しかし、中国が事前に察知し、北朝鮮に計画中止を求める一方、国家安全部や軍の要員をマカオへ急派し保護した。計画に金総書記は関与していないようだという。
中国は北朝鮮の核実験や暗殺計画を受け、これまで進められていた北朝鮮国内での資源開発などの合弁事業を全面的に中断。さらに国際社会に対して挑発を続ける場合、石油や食糧支援を打ち切るとも通告したという。
毎日新聞 2009年6月16日 東京朝刊