とにもかくにも“もったいないコンビニ弁当”減ります
弁当の値引き販売の準備をするセブン―イレブンのスタッフ
Photo By 共同 |
消費期限の迫った弁当などを、フランチャイズ(FC)加盟店が値引きして売る「見切り販売」を制限したとして、公正取引委員会は22日、コンビニエンスストア最大手のセブン―イレブン・ジャパン(東京)に排除措置命令を出した。独禁法違反(優越的地位の乱用)と認定した。「見切り販売」ができるよう具体的方法を示した加盟店向け資料の作成も併せて命じており、コンビニ業界全体にも影響しそうだ。
「ものを大事にしなければいけない時代。捨てることを前提にしたシステムは見直さないといけない」。排除措置命令を受け、関東地区の加盟店オーナーが東京・霞が関の経済産業省内で記者会見に臨んだ。
2月から千葉県佐倉市の店舗で見切り販売を始めた三井義文さんは、ユニホーム姿で出席。月収は夫婦で計30〜40万円だったが、弁当などを値下げすると20万円増えたという。
新潟市内で経営する関口健治さんは「売れ残った弁当などを破棄し毎月30〜40万円の原価を負担した。口座にお金が振り込まれない月もありました」と苦境を明かす。
セブン―イレブンでは、弁当や総菜が売れ残った場合、消費期限の2時間前に売り場から撤去、廃棄される。廃棄商品の原価相当額は加盟店側が負担。廃棄が増えるほど店の負担が重くなるとの指摘もあった。公取委によると07年3月から1年間で、1店舗あたり平均で約530万円を負担していた。
このため、すでに数十店は見切り販売を始めている。しかし、本部側から「新鮮な商品を販売しているというイメージを損なう」などと待ったがかかったケースもあった。
契約では、商品価格は加盟店側が決められるが、実際は同社が示す「推奨価格」で販売。岡山県瀬戸内市内の店舗オーナー藪木裕之さん(46)は、07年4月に見切り販売を始めると「本部から“契約更新をしない”と圧力をかけられた。ほとんどが泣き寝入りしているのが現状だ」と声を荒らげた。
また、サンドイッチや乳飲料など毎日納品される「デーリー商品」については、値下げして売らないよう制限していた。
制限を受けたのは34店舗で、値下げは本部への事前連絡が必要となっていたことなどから公取委は「組織的な違反行為」との見方を示した。コンビニ加盟店で構成する「全国FC加盟店協会」によると、セブン―イレブン本部が加盟店に対し「値引き販売は契約違反にあたる」とする社印入りの文書を内容証明郵便で送りつけた事例も3件あった。ある加盟店オーナーは「値下げ販売する前の弁当類の廃棄は1日で買い物かご3〜4杯分。利益よりも、食べ物を捨てるのがつらかった」と打ち明けた。
関連ニュース
PR