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武藤、ライバル三沢さんに惜別のエメフロ

 惜別のエメラルド・フロウジョンを太陽ケア(右)に放つ武藤=後楽園ホール
 惜別のエメラルド・フロウジョンを太陽ケア(右)に放つ武藤=後楽園ホール

 「全日本」(21日、後楽園ホール)

 ノアの13日・広島大会で起きた三沢光晴さん(享年46)の事故死から8日後、初めてリングに上がった武藤敬司(46)が、太陽ケア(33)を相手に三沢さんの代名詞的な必殺技「エメラルド・フロウジョン」を公開。一騎打ちのかなわなかったライバルに、武藤らしいやり方で別れを告げた。試合前の追悼セレモニーでは遺影を持った武藤、故人の全日本時代に同僚だった渕正信(55)、ケア、和田京平レフェリー(54)がリングインし、10カウントゴングが鳴らされた。

  ◇  ◇

 三沢さんと同い年のライバル武藤と、全日本時代の後輩ケアが、6人タッグ戦でともに先発を買って出た。

 武藤がケアの胴体を両腕で抱え込み、真っ逆さまにして自分の肩まで抱え上げると、体重を乗せながら倒れ、脳天からマットに突き刺した。これが大技「エメラルド・フロウジョン」。エメラルドは三沢さんのイメージカラーである「緑」に由来し、フロウジョンとは「滝、流れ」を意味する。98年に開発して以来、必ず勝負どころで繰り出した名刺代わりの技だ。

 ダメージをこらえて起き上がったケアも負けじと、2代目タイガーマスク時代から使っていた技「タイガードライバー」をさく裂。追悼の思いに動かされ、故人の必殺技を互いに繰り出した。

 武藤は「なんか、やってみたくなったというか。センチメンタルな部分…」と告白。04年7月10日、タッグで1度だけ対決した際に用意したエメラルド・フロウジョンだったという。「三沢さんとオレは最終的にシングル(一騎打ち)ができなかった。若いヤツらが台頭してきたら、いつでもできる準備はしとくからさ」。かなわなかった夢の対決は次代に託された。

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