2009年6月22日21時1分
京都教育大学(京都市伏見区)の学生6人が集団準強姦(ごうかん)容疑で逮捕された事件で、京都地検は22日、6人を処分保留で釈放した。西浦久子次席検事は「被害女性との間で示談が成立し、女性が告訴を取り下げたため」と説明した。近く6人を不起訴処分(起訴猶予)とする見通し。
同地検によると、6人側の弁護人が19日に示談を持ちかけ、22日に女性側が同意、同日付で告訴を取り消したという。集団準強姦罪は被害者の告訴が必要な親告罪ではないが、地検は、示談によって被害者が法廷で証言することが困難になったと判断したとみられる。
西浦次席検事は「事実関係を捜査したことが示談につながった」と話した。
21〜25歳の男子学生6人は、2月下旬に京都市中京区の居酒屋で開かれた宴会で、酒に酔って抵抗できなくなった女性を集団で強姦した疑いがあるとして今月1日、京都府警に逮捕された。6人は「女性は抵抗できない状態ではなかった」「合意があった」などと容疑を否認していた。
6人の釈放を受け、京都教育大は「加害学生の行為は学生の本分にもとるものと認識し、猛省を促す。学生指導のあり方を早急に見直す」などとするコメントを発表した。現在、無期停学としている6人の処分をどうするかについては、今後検討するという。
同大学では、この事件についてインターネットで書き込みなどをしたとして学生4人が処分されている。大学は「教員には通常以上の高い倫理観や道徳観、人権感覚が求められる」として、全学生に特別講義の受講などを義務づけるという。