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政府が財政出動を進め、韓国銀行が資金を放出したことで銀行の延滞率上昇傾向が鈍化している。一時急増していた不渡り企業の数も減り続けている。市場が安定を取り戻しており、「いまが中小企業構造調整の機会」という主張が出ている。
金融監督院が21日に明らかにしたところによると、5月末基準で国内18行のウォン建て融資延滞率は1.6%で、前月に比べ0.02ポイント上昇した。延滞率は依然として上昇しているが、4月に前月比で0.13ポイント上昇したのに比べると伸びは大幅に鈍化している。
金融監督院の崔聖一(チェ・ソンイル)健全経営チーム長は、「延滞率上昇幅が昨年9月以降急騰したが、今年3月からは安定を維持している」と話す。
中小企業の延滞率は2.57%で前月よりも0.02ポイントと小幅ながら下落した。ただ一部で新規延滞が発生した大企業の延滞率は0.19ポイントと比較的大きく上昇し0.85%となった。
不渡り企業数は顕著な減少を見せている。韓国銀行によると5月の不渡り企業数は151社で、前月の219社に比べ68社減少した。2007年9月の138社以降で最も少ない数値だ。不渡り企業数は金融危機の影響で昨年12月に345社を記録して以来減少を続けている。ソウルの場合52社で前月より32社減少、地方は99社で36社が減少した。
韓国銀行のイ・ボムホ株式市場チーム課長は、「不渡り企業数が5カ月連続で減少を示しているのは企業の資金繰りが円滑になったため」と述べた。
不良中小企業に対する構造調整を推し進めるべきとの指摘が出ているのも昨年とは違い企業の資金事情が改善しているためだ。
金融研究院の孫祥皓(ソン・サンホ)専任研究委員は、「中小企業構造調整の必要性」と題する報告書を通じ、「構造調整なく資金注入だけ続ければむしろ景気回復が遅れることもある。緊急資金需要がなくなっているいまが構造調整の適期だ」との考えを示している。
銀行は来月までに中小企業800社に対する経営評価を進め、経営悪化企業を選り分ける予定だ。