岡山放送局

2009年6月22日 20時40分更新

ハンセン病 名誉回復の日


ハンセン病の患者を強制的に隔離した国の政策で差別に苦しんできた人たちの名誉を回復するため、厚生労働省は、毎年6月22日を「名誉回復と追悼の日」と定め、22日、東京で初めての式典を行いました。

式典で、舛添厚生労働大臣は、「国の政策によりハンセン病の患者や家族の方々が差別され、筆舌に尽くしがたい苦しみを味わったことを心からおわびするとともに、苦しみの中で亡くなられた方々に哀悼の意をささげます」と述べ、社会に復帰できないまま、療養所の中で亡くなったおよそ2万5000人を追悼しました。

この後、入所者を代表して宮里光雄さんが、「差別に苦しみ自ら命を絶った方や、強制的に堕胎させられ、闇から闇に葬られた胎児もいました。人間の尊厳を踏みにじられた人たちがいたことを決して風化させてはならない」と訴えました。

全国に13か所あるハンセン病療養所の入所者の数は、ことし5月1日現在で2568人と10年前の半数近くにまで減り、平均年齢は80歳を超え、高齢化が進んでいます。

式典に参加した元患者は、「私たちが『生きていてよかった』と思えるよう、国は療養所を地域に開放するために必要な支援をしてほしい」と話していました。