2009年6月22日 20時40分更新
ハンセン病患者の名誉を回復するため、厚生労働省がきょう・6月22日を「名誉回復と追悼の日」と定めたことに合わせて、岡山県瀬戸内市では元患者が子どものころに書いた作文などの展示会が始まりました。
この展示会は国の隔離政策によって家族と離ればなれになった子どもたちの生活を広く知ってもらおうと、国立のハンセン病療養所、長島愛生園が開いています。
会場には療養所で暮らしていた子どもたちの作文や詩、短歌など、あわせておよそ50点が集められました。
このうち中学3年生の女子生徒が「愛生園に行く日」と題して書いた作文には、親もとを離れて暮らすことに納得できないという思いがつづられていて、突然見知らぬ施設で暮らすことになった戸惑いがにじみ出ています。
また、小学校6年生の女の子が故郷の母親を思ってつくった短歌からは、毎日、家族のことを思いながら過ごしている様子をうかがうことができます。
会場では当時の生活を撮影した写真も紹介されていて、訪れた人たちは、不当な差別を受けて苦しい生活を強いられた子どもたちの様子に見入っていました。
長島愛生園では少なくともことしいっぱいは展示会を続け、理解を求めていくことにしています。