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2009/06/18 09:44 KST
サムスン電子、廃熱利用熱電変換新素子を開発


【ソウル18日聯合ニュース】化石燃料や電気エネルギーが消耗される過程で発生する廃熱を電気に変換する高効率の熱電素子が国内で開発された。

 サムスン電子総合技術院のイ・サンモク専門研究員は17日、廃熱を電気エネルギーに変換する際の効率を従来の7%から12%に向上させた新素子のセレン化インジウム(In4Se3−x)を開発したと明らかにした。熱電商用化の可能性を早め、新概念の熱電素子と熱電変換メカニズムを提示する開発と評価され、再生可能エネルギー分野でのさまざまな応用が期待される。

 熱電素子は、自動車補助電力、冷延機関や産業用廃熱発電などに応用されるが、従来の高効率熱電素子は多くが薄膜やナノワイヤーを用いたもので、温度差維持が困難だった。セレン化インジウムは、熱を電気に変換させる能力が高く、熱伝導率は低いため、発熱部と冷却部の温度差を広げることが可能で熱電性能にも優れるとされる。研究チームは、金属電子の動きを制限すると金属が半導体に変化し金属格子がねじれ、これにより熱伝導率が下がり熱電性能が高まる原理を基に、新素子を開発した。新素子は2つの元素からなる金属化合物で製造しやすく、熱電性能は従来の素子に比べ180%拡張されたとの説明だ。熱電素材の効率は、熱と電気の変換効率を意味する熱電性能指数「ZT」で示される。常温で冷却する材料はZTが1.0、中温で発電する材料は0.8だが、セレン化インジウムは1.48と、格段に高い。現在、米国や日本では、発電効率が10%以上なら経済性を確保できる熱電素子として評価されている。

 この研究には、イ専門研究員ほかサムスン電子総合技術院の専門研究員5人、成均館大学のクォン・ヨンソン教授が結晶成長、浦項工科大学のシム・ジフン教授が理論計算分野に参加した。米ラトガース大学の教授も理論解析に参加した。研究結果は、英科学誌「ネイチャー」電子版に18日付で掲載された。 

japanese@yna.co.kr

公開されたセレン化インジウムとこれを用いた熱電モジュール=17日、ソウル(聯合ニュース)