きょうのコラム「時鐘」 2009年6月22日

 ホタル群舞の話題が紙面を飾る。身近にホタルがいたころは、眺めるだけでなく、小さな光を追いかけて虫かごに集めた

光らなければ、居所は分からない。なぜわざわざ光って捕まるのだろう。「お前ら、ヘンだ」と思ったが、ホタルが光るのは、求愛行動だそうである。それとは別に、敵に対する警告だという説を聞いたことがある。「以前に尻の光ったのを食べて、まずかっただろう。覚えているか。あの仲間だ」と、光って知らせ、食べるのを思いとどまらせるサインという説である

身近な自然界にも、分からないことがまだまだある。降ってわいたオタマジャクシ騒ぎも、能登から各地に広がって富山にも飛び火するが、原因はさっぱりつかめない

ホタルの光も謎めくが、警告のサイン説には興味をそそられる。美しい光が告げるのは、まずくて食えない正体に気付け、というメッセージ。何とも意味深長である

ホタルの群舞と共に、選挙の季節もやってくる。おいしい言葉、美しい約束事が飛び交う。ホタルのサインみたいに、煮ても焼いても食えないのが、いくらもあるはずである。