(澄んだ蒼をさがして) いつの間にか、日常に成り代わる非日常。 侵食される毎日は、それでも不快なものではなかった。 ただ、山本の好意はとても分かりやす過ぎて。 (ねぇ、君は男が好きなの?) 違う、と言われることは、ばれているということ。 そうだ、と言われることは、僕じゃダメだっていうこと。 中途半端な自分の存在が、とても情けなくなってくる。 こう在ることを望んだのも、選んだのも、僕の筈なのに。 「痛ぅ…………っ」 下腹部が、痛む。朝から腰も痛かった。 (殴れたっけ?) 思い返してみても、思い当たる節は全くなかった。 ――ドロリ、と流れ落ちる感触。 ま、さ、か。 「は、はっ……」 笑うしか出来なかった。 汚れていく。汚れていく。 浮かぶのは、本当に愛しそうに微笑みかける山本の笑顔。 触れたいと、傍にいたいと、願ってしまったからですか? 欲しいと、望んでしまったからですか? 「馬鹿みたいだ」 届かないことは知っている。分かっている。 このどうしようもない想いが、何と呼ばれるものなのかも。 僕は重い腰を上げて、保健室へ向かった。 (時計の針は、止められない。) NEXT