放送予定
   
   
   
6月22日(月)放送予定
生誕百年 太宰治はなぜうける?

世を去って60年以上経つにもかかわらず、太宰治の作品群は現代の若者層に異様なほどの人気を誇っている。特に教育関係者が驚くのは、中高生の読書感想文に、教育現場では敬遠されがちの『人間失格』が圧倒的に多いこと。出版部数も前年比550%、多くが10代20代の若者である。背景には「時代の空気に違和感をおぼえた若者たちの共感を呼んでいる」ことや「句読点を多用するブログに似た太宰文学が受け入れられやすい」などの理由があるという。一方で、この人気を利用して、太宰文学の「巧みな一人称語り」を題材に、対人関係を苦手とする高校生に、コミュニケーションのあり方を教えようという試みも始まっている。留まるところを知らない太宰人気の背景と、今、若者が太宰から学ぶべきものは何かを考える。
(NO.2754)

スタジオゲスト 井上 ひさしさん
    (作家)
 
   
   
6月23日(火)放送予定
えん罪はなぜ見過ごされたか

平成2年に栃木県で4歳の女の子が殺害された足利事件。無期懲役が確定した菅家利和さんが、DNAの再鑑定で犯人ではない可能性が高いとされ、逮捕から17年半ぶりに釈放された。捜査段階から裁判に至るまで誤った判断の拠り所となったのが自白と精度の低いDNA鑑定だった。菅家さんが涙を流した取り調べ、矛盾する自供の内容、二転三転する裁判での証言。無実のシグナルがなぜ見過ごされたのか。科学捜査を象徴するDNA鑑定への過信はなかったか。そして、裁判所によるDNA再鑑定の実施が遅れた原因は・・・。 またしても、冤罪を防げなかった日本の刑事司法。捜査や裁判のどこに落とし穴があったのか、失われた17年を取り戻し始めた菅家さんへの密着取材と警察官など多数の関係者への取材で検証する。
(NO.2755)

スタジオゲスト 木谷 明さん
    (法政大法科大学院教授
・元東京高裁部総括判事)