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【日本人とこころ】清水俊二と日本語(上)字幕は翻訳にあらず (4/6ページ)
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■20匹ぐらいいたネコ
「清水先生のお宅といえば、猫がすごかった」。映画字幕製作会社の創設にかかわった神島きみさんは、自著でこう振り返っている。「おじのところには、20匹ぐらいいましたね」と話すのは、姪の石川文代さん(61)だ。写真(石川さん提供)は、東京・世田谷の自宅でくつろぐ清水俊二、繁子夫妻。ただ、清水自身は、映画雑誌「スクリーン」(昭和31年9月号)で、「動物ならライオンでもイヌでもなんでも好きなのでとくにネコが好きなわけではない」と、猫好き説を否定している。ちなみに、清水が大好きだったレイモンド・チャンドラーは、猫好きだったという。チャンドラーの代表作『長いお別れ』(早川書房)のあとがきで、清水自身が触れている。
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■パイオニアとしての誇りと覚悟
映画会社の試写室を訪れると、一番後ろの端に、電気スタンドのついた小さな机がある。「翻訳者が座るところで、チェック台と呼ばれています」。映倫の元審査員で元日本ヘラルド映画製作部長の秋山茂さん(80)は、清水俊二が、ここで仕事をする様子を覚えている。
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