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「別人」給仕が首相にワイン 官邸、偽造身分証を見逃す(1/2ページ)

2009年6月22日3時3分

写真:偽造された赤坂プリンスホテルの身分証(上)。別人の氏名や虚偽の生年月日が記入された台紙に、前年の自分の身分証(下)から切り取った顔写真をはり付けた偽造された赤坂プリンスホテルの身分証(上)。別人の氏名や虚偽の生年月日が記入された台紙に、前年の自分の身分証(下)から切り取った顔写真をはり付けた

写真:イエメンのサレハ大統領(左)から短剣を贈られる小泉首相=05年11月7日、首相官邸イエメンのサレハ大統領(左)から短剣を贈られる小泉首相=05年11月7日、首相官邸

 東京都千代田区の首相官邸で05年、小泉首相(当時)と外国首脳がテロ対策などを協議した後の夕食会に、給仕担当の赤坂プリンスホテル(東京、現グランドプリンスホテル赤坂)のスタッフが偽造身分証(入館証)を使って別人になりすまし入館、官邸側も気づかず通していたことがわかった。事前に官邸側に名前を届けてあったスタッフが欠勤し、ホテル側が欠勤者になりすますよう指示したという。

 官邸事務所は「ホテルを信頼していた」と説明するが、危機管理問題の専門家は「防犯意識があまりに低く、他国では考えられない」と指摘している。

 偽造身分証が使われたのは中東イエメンのサレハ大統領らが日本政府の招待で05年11月6日に来日した翌7日の夕食会。大統領らは小泉首相らとテロ防止やイエメンの貧困削減、民主化などで会談。官邸での夕食会には両国首脳や閣僚ら15人が出席した。

 給仕は赤坂プリンスホテルが担当し、スタッフ約20人を官邸に送った。同ホテルによると、官邸で給仕を行う場合、事前に首相官邸事務所にスタッフ名を記載した書類を届ける。だが直前にスタッフの1人が欠勤し、急きょ代わりを立てる必要が生じた。

 その際ホテルの担当マネジャーは、代役に欠勤者の名前で官邸に入るように指示。欠勤者名や「昭和40年9月2日生 33歳」と生年月日を記入した身分証を手渡した。さらに自分の顔写真を張るよう指示。代役は前年の自分の身分証から顔写真を切り張りして偽造身分証を完成させ、官邸で提示した。

 記入された生年月日なら33歳ではなく40歳だが、官邸の警備担当者は見過ごし、中に通したという。代役のスタッフは「偽造は嫌だったが、マネジャーに『ばれないから大丈夫だ』と言われ写真をはった。小泉首相に白ワインを2、3杯ついだ」と話す。

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