土曜、日曜や祝日はまず大丈夫だが、朝の通勤時、車の渋滞にたびたび悩まされる。いらいらしながら会社に着く。
今度は、いくら待ってもエレベーターが来ない。やっと来たら来たで2台が同時に。そんな日は、机についた時点で早くも疲れを感じる。「きょうはずっとツイてないのでは」などと、ついいらぬことまで考えてしまう。
2009年版の科学技術白書のコラムで「渋滞学」が紹介されていた。以前、テレビで円周状のコースを車が連なって走る実験を見たことがある。最初はスムーズに走っていた車が台数が増えるにつれ速度が落ちる。さらに増えると、列のどこかがついに止まってしまう。
研究の主は東京大学の西成活裕教授。車の渋滞にレジの行列、エレベーター、さらに体の中の血流まで、渋滞の仕組みを最新の数理科学で解析し、解消に向けた方策提言を目指しているという。
工場での製品のつくり過ぎによる過剰在庫防止などにも役立つようだ。経済危機で生産の一段の効率化が求められている。産業界の国際競争力を高める上でも役立つのではないか。
教授は「無駄学」にも取り組んでいるそうだ。車の車間距離、行列するアリの間隔、本の余白など身近なことを題材に「無駄」の影響と効用を研究する。こちらも面白そうである。