脳はメリハリがあることを好む。
快楽成分であるドーパミンは、このメリハリによって多く分泌されることもわかってきた。
特に己の限界を超える目標を設定し、その目標を突破する達成感を得たとき、
良質のドーパミンが大量に放出され、脳は快感と認識をする。
また、脳が不自由を好むこともわかってきた。
例えば、恋愛をすることは脳の思考に制限を加えることであり、
ある意味、脳を不自由にする。
しかし、脳はその不自由さを好み、恋愛を心地よいと考える。
これらの脳の働きをSMにあてはめるとMの快楽がある程度みえてくる。
精神的に拘束を受け、不自由さを感じることは、基本的に苦痛なわけではないのだ。
歴史や社会習慣が、これらを毛嫌いしただけで、脳は本来この行動を好む。
Mはこの脳の働きに忠実なだけなのだ。
さらに、痛みを与えるとき、どのような痛みをどれだけ与えるかをあらかじめ示しておくと、
脳は自分に目標設定し、ドーパミン放出の期待をする。
ゆえに、目標達成のころに、一気に快楽が押し寄せることも少なくない。
痛みが、無痛になり、やがて、それが快楽に変化するメカニズムの一つである。
以前にも少し触れたが、苦痛を与えるとき、
相手にしっかりと痛みの総量を覚悟させることと、
短期的ではなく、長期的に与えるほうが効果があるというのは、そういうことに起因している。
さて、そんな緊張感が快楽に繋がるとはいえ、そういう時間ばかりでは、
脳が持ちこたえるわけもなく、崩壊していくことになる。
そこで、ゆるりとしたメリハリが重要になってくる。
我が家の周囲にはたくさんの運河が存在する。
いわゆる東京ベイエリアの真ん中に位置している。
私はここに住むようになって早5年になるが、意外にもゆったりして心地よい街であることを知る。
中でも、朝方や夕暮れ時に、運河にかかる橋を眺めながら、散歩をすることを好む。
脳が本当にゆるりとなる瞬間だ。
先週末も、夕刻から小一時間ほど、運河を散歩しながら、カメラのシャッターを切っていた。
少しだけひんやりした空気が肌に心地よい。
東京の夕焼け、私は嫌いではない。


気づくと、すでに周囲は夜となり、橋もライトアップされはじめる。
今日は自宅で鍋にでもするかな。
だとしたら、日本酒かな。
そんなことを考えていたら、携帯の着信。
来客が確定した。
その夜、我が家ではこんなことが始まっていた。
散歩で脳にメリハリがきいたので、絶好調である。
思いがけず、楽しい夜になった。
肝心の内容は近々に本サイトで公開させていただく。