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申し訳ない…虎8年ぶり借金「10」

 選手交代を告げた後、柿木園球審と話す真弓監督
 選手交代を告げた後、柿木園球審と話す真弓監督

 「阪神2-5楽天」(20日、甲子園)

 ついに、ついに…阪神が借金10。01年以来となる不名誉な数字を記録してしまった。今季最多4万6893人が詰めかけた甲子園で、虎が屈辱にまみれた。視察した坂井信也オーナー(61)は「申し訳ない試合でした」とうなだれた。このまま暗黒時代への扉を開いてしまうのか…。

  ◇  ◇

 想像以上に、すごかった。この強烈な大歓声が聞こえないのか。窮地の虎を後押しすべく、聖地に集まったのは今季最多4万6893人。黄色いメガホンの揺れ方は、いつも以上に、半端なく激しかった。

 これを幸せだと感じないのか。それでも奮い立たないことが、今の低迷を招いたゆえんか。熱狂の虎党への応えは、01年・野村政権以来の借金10への転落だった。

 「申し訳ない試合でした。お客さんがぎょうさん入ってくれてるのに…」。試合後、視察に訪れた坂井オーナーが肩を落として頭を下げた。

 それでも逆転優勝をあきらめない-虎党の声援には、そんな意地、気迫が感じられたが…。

 エース・安藤が3回5失点KO。重すぎる5点だった。敗戦後、真弓監督は目を真っ赤にして言った。「5点は重すぎましたね。本当は5点ぐらいひっくり返せる勢いが欲しいんだけど…」。

 打線は0-5の六回にブラゼルの適時打で2点を返し、聖地は沸騰。もしかしたらの雰囲気もでき上がったが…今の虎打線には、これが精一杯だった。

 指揮官もファンにわびた。「ファンが応援してくれてるし、いい試合をしたいんですけどね…。何とか追いついていきたかったけど、元気も出ていなかった」。どうにもこうにも、虎は目を覚まさない。

 ただ、借金10転落について聞かれると、虎の将は淡々と語り始めた。

 「数字はね、いろんなところに出て、意識してしまうんだけど、チームの調子を上げていくしか。それしかないです」

 冷静にチームの現状も分析した。

 「ちょっとね、点をとれていないのと負けが込んでて、バッターに無駄な力が入って、バットの出が悪くなっている。バットが出ない時期というのはあるけど、そういう時こそ集中して、余分な力を抜いて振らないと」

 ついに2ケタ借金の一線も越えた。よくも悪くも、守るものはなくなった。泣いても笑っても21日で交流戦は終了する。

 「最後をスッキリ終わりたい。刺激になる何かがね」。開き直りの快勝しか、その後のリーグ戦での逆襲につなげるものはない。幸い、21日も聖地満員は確定している。これを幸せだと感じたい。

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