「麻生降ろし」封じ 安倍晋三が動く 孤軍奮闘の全面援護
6月21日22時29分配信 産経新聞
拡大写真 |
自民党の安倍晋三元首相(写真:産経新聞) |
(石橋文登、加納宏幸)
「(鳩山氏更迭の)首相の判断は間違ってない。民営化会社の人事に関し、政府はめったなことで口を出すべきじゃない。そもそも総務相が自分の首と社長の首をてんびんにかけて首相に決断を迫るのはおかしい」
21日朝、「新報道2001」(フジテレビ系)に久々に出演した安倍氏は首相の援護射撃に徹した。
「総裁選前倒しでトップリーダーを代えることは考えるべきではない。国民に姑息(こそく)な手段と見られるだけだ。首相のもとで結束し、いかに魅力的な政策を打ち出せるかに勝負がかかっている」。安倍氏は麻生降ろしをこう牽制(けんせい)すると、返す刀で民主党の鳩山由紀夫代表を徹底批判した。
「北朝鮮に対しては友愛外交では全然ダメだ。しかも鳩山氏は『日本列島は日本人だけのものじゃない』と言っている。彼には国家の概念がない。主権意識がない」
鳩山氏の資金管理団体の政治資金収支報告書に故人の献金が記載されていた問題もこう皮肉った。「鳩山氏は『企業献金から個人献金に制度を変えていくべきだ』と言っていたが、彼の言う『個人』は『故人』だったのか」
これまで表だった動きを控えてきた安倍氏だが、支持率急落を受け、考えを変えた。「安倍政権で一番苦しい時に支えてくれたのは麻生さんだった。今こそ恩返しすべきだ」。周囲にはこう語ったという。
16日夕、安倍氏、森喜朗元首相、町村信孝前官房長官、中山成彬前国土交通相の町村派幹部4人が国会図書館で密会した際も安倍氏が終始議論をリードした。
「麻生降ろしにより、もし首相が退陣したら、私を含め『3代続けて政権放り出し』と批判され、誰が次の首相になっても自民党は国民に見放される。麻生さんを支える以外の選択肢はないじゃないですか」
安倍氏はもともと都議選前の解散を説いてきた。もし静岡県知事選(7月5日投開票)、都議選に連敗すれば麻生降ろしが加速する可能性が大きいからだ。しかも反麻生勢力は町村派に多く、これを押さえ込めなければ安倍氏の政治手腕そのものが問われかねない。
だが、都議選前の解散ならば、天皇陛下のカナダご訪問前の7月2日までに首相が決断するしかない。安倍氏は「外交・安保や教育を争点に保守政党として堂々と選挙に挑むべきだ」と攻めの姿勢を崩さないが、支持率急落により党内では先送り論が大勢を占めつつある。孤軍奮闘する安倍氏の思いは首相に通じるのか。今後1週間の首相の決断が自民党の命運を握っていると言っても過言ではない。
【関連記事】
・ 日本郵政、24日にも報告書提出
・ あらかじめ辞表用意 鳩山前総務相が暴露
・ 「大きく失敗すれば政局に」佐藤総務相 西川社長の進退問題
・ 総務相が「西川社長辞任」打診報道を否定 衆院総務委
・ 鳩山前総務相への批判相次ぐ 自民各派総会
最終更新:6月21日22時29分
ソーシャルブックマークへ投稿 1件
関連トピックス
主なニュースサイトで 安倍晋三 の記事を読む
この記事を読んでいる人はこんな記事も読んでいます
- 「別な思惑あるのでは」 町村氏が中川秀氏ら牽制 公務員法改正案(産経新聞) 21日(日)20時32分
- 厚労省捜索中、「郵便不正」前局長の職場から現金400万(読売新聞) 19日(金)11時51分
- 生活保護打ち切りの53歳衰弱死、再受給問い合わせ後(読売新聞) 18日(木)9時25分