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西松建設事件:前社長に禁固1年6月求刑 判決7月14日

西松建設の政治資金規正法違反事件の初公判で東京地裁に入る国沢幹雄被告(中央)=東京・霞が関で2009年6月19日午前9時半、長谷川直亮撮影
西松建設の政治資金規正法違反事件の初公判で東京地裁に入る国沢幹雄被告(中央)=東京・霞が関で2009年6月19日午前9時半、長谷川直亮撮影

 政治資金規正法(第三者名義の寄付禁止など)違反と外為法違反に問われた準大手ゼネコン「西松建設」の前社長、国沢幹雄被告(70)の公判は19日午後も東京地裁(山口雅高裁判長)で続き、検察側は「規正法の趣旨を踏みにじり極めて悪質」と禁固1年6月を求刑した。弁護側は「背景事情を過大視して贈収賄と同列に扱うことは許されない」と反論した。公判は結審した。判決は7月14日。

 外為法違反に問われた元副社長、藤巻恵次被告(68)には、懲役6月が求刑された。

 検察側は論告で、西松側から民主党の小沢一郎前代表(現・代表代行)側への献金が95~06年で2億円を超え、うち二つのダミー政治団体を通じた分は1億2900万円に上ったと指摘。「献金の主体を偽り、小沢事務所から『天の声』を得て公共工事を受注してきた談合の構造・実態を隠ぺいした。献金そのものを収支報告書に記載しない『闇献金』と何ら異ならない」と非難した。

 国沢被告の弁護側は最終弁論で、実質的に西松からの献金だったことを認めつつ「収支報告書の金額は正確に報告されている」と主張。ダミー団体を使った背景として「ゼネコン業界内に『政治献金すると癒着を指摘される』との空気があった。他社もやっているという認識の下、献金は競争に打ち勝つためだった」と情状を訴え執行猶予を求めた。国沢被告は被告人質問や最終陳述で「法違反に対する意識が希薄だった。深く反省している。お騒がせして申し訳ない」と謝罪した。

 一方、政治資金規正法違反で起訴された小沢氏の公設第1秘書、大久保隆規被告(48)の弁護人は19日、「検察官は自民党関係の団体が献金を受けた実態を明らかにせず、大久保氏を狙い撃ちにしたのは明らか」との所感を発表した。また、検察側が法廷で「2団体からの献金が実際は西松建設からの献金と知っていた」との大久保被告の供述調書を朗読したことについて、弁護人は毎日新聞の取材に「自白したかのような理解は間違い。起訴内容を全面的に争っていく基本方針は変わらない」とコメントした。【安高晋、岩佐淳士】

毎日新聞 2009年6月19日 19時10分(最終更新 6月19日 23時09分)

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