ニュース特報

2009年06月20日号

【検察と政治】
検察側、西松建設・前社長、国沢幹雄被告に禁固1年6月を求刑、判決は7月14日、本誌編集長のコメント


●毎日新聞配信記事
 毎日新聞は19日19時11分、「<西松建設事件>前社長に禁固1年6月求刑 判決7月14日」という見出しで次の記事を配信した。
「準大手ゼネコン「西松建設」を巡る事件で、政治資金規正法違反(第三者名義の寄付禁止など)と外為法違反に問われた前社長、国沢幹雄被告(70)は19日、東京地裁(山口雅高裁判長)の初公判で起訴内容を認めた。検察側は冒頭陳述で、西松が95年以降、民主党の小沢一郎前代表(現・代表代行)側に多額の献金をし、小沢事務所から「天の声」を得て、岩手・秋田両県で4件(落札額計122億7000万円)の公共工事を共同企業体(JV)で受注したと指摘した。

 その上で、検察側は「規正法の趣旨を踏みにじり極めて悪質」と国沢被告に禁固1年6月を求刑。弁護側は「背景事情を過大視して贈収賄と同列に扱うのは許されない」と反論した。国沢被告は被告人質問などで「深く反省し、申し訳なく思っている」と謝罪。外為法違反に問われた元副社長、藤巻恵次被告(68)には懲役6月が求刑された。公判は結審し、判決は7月14日。

 検察側は冒頭陳述で、95年施行の改正政治資金規正法により献金者の公開対象が100万円超から5万円超に大幅に引き下げられたため、国沢被告が二つのダミー政治団体を設立したと指摘した。

 一方、岩手県や秋田県の公共工事では、談合による本命業者選定に、小沢事務所の意向が強い影響力を及ぼしており、国沢被告は95年から1000万円超の献金を始めたと主張した。97年以降は小沢事務所の示唆で、下請け業者を通じた分を合わせ年間2500万円の献金を申し合わせたと述べた。これらによると、95〜06年の献金総額は約2億6000万円と推計される。

 00年ごろからは、小沢氏の公設第1秘書、大久保隆規被告(48)=政治資金規正法違反で起訴=が献金を巡る交渉や「天の声」を出す業務を担当し、献金名義や額の割り振り案を記した一覧表を西松側に提示するなどしたと主張した。

●本誌編集長のコメント
「検察側の冒頭陳述、論告はほぼ予想通りであった。判決は執行猶予をつけた有罪であろう。
 検察側の冒頭陳述、論告を検証する限り、これまでの小沢氏、民主党の対応は政権交代を主張する政党、その代表として、あるべき姿ではないことが明らかにされたとの感じを強く抱く」

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