「日吉館」取り壊しへ - 文化人が愛した宿
2009年5月13日 奈良新聞
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老朽化で取り壊されることになった日吉館=12日、奈良市登大路町 |
会津81ら多くの文化人に愛された奈良市登大路町の旅館「日吉館」が、老朽化のため取り壊されることが分かった。名勝奈良公園の一角で、所有者の申請を受けた文化庁が現状変更を許可した。店舗兼用住宅に生まれ変わる予定で、古都の名物旅館は多くの思い出とともに姿を消す。 日吉館は奈良国立博物館北側にあり、平成10年に88歳で亡くなった田村キヨノさんが切り盛りしてきた。 延べ床面積約250平方メートルの木造2階建て。歌人で早稲田大学教授だった会津81や「古寺巡礼」を著した和辻哲郎、評論家の小林秀雄ら多くの文化人が定宿とした。 学生にも愛されたが、田村さんの高齢化で平成7年に廃業、約80年の歴史に幕を閉じた。セミナーハウスとして活用する計画もあったが、立ち消えとなっていた。 |
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