これはオリジナルのページ(http://www.web-light.nl/VISIE/extremedeformities.html)の英文を田中が和訳したものです。
極端な出生奇形
「その地域の胎児達は彼等のDNAの完全性というもっとも高い代価を支払うことを要求されている」
ーーーRoss B. Mirkarimi(武器制御調査センター)の1992年5月のレポート「湾岸地域とくにイラクでの環境と人間の健康への衝撃」よりーーー
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私は最近大量の恐ろしい出生奇形の写真を受け取りました。それはイラクで進行しているところのものです。はっきり言って、私はこのようなものを嘗て見たことがありません。私はあなたにこのページ及びこれらの写真をコピーして出来るだけ沢山の人に紹介して下さることをお願いしたいのです。
イラクの国土はアメリカが使った劣化ウラン弾によって汚染されているのですが、特筆すべき残酷さは、アメリカに支配された経済制裁委員会が、イラクが国土を浄化するために必要とする浄化設備を輸入することを拒んでいることです。約315トンの劣化ウラン弾の塵が残されていると言わています。経済制裁委員会はまた、制がん剤、及び核物質を含む地面で放射能を検出するための機器をイラクが大量輸入することを拒んでいます。
これらの写真の殆どは現時点では匿名を希望しているソースから送られてきました。私はオリジナルなネガフィルムや、それから直接プリントしたものを手に入れることができませんでした。これらはA4のカラーコピーという形で私の所へ届きました。私はこれらをPhotoshop(画像を処理するソフト・・訳者注)で出来るだけ鮮明にすることを試みました。誓っていいますが、私は決してこれらを鮮明にする事以外の画像処理は行っていません。これらの写真が届いた時に、写真に関する説明の文は付いていませんでしたので、私のできる範囲で説明を付けておきました。私の理解では、これらの写真は1998年以降に撮られたものです。これらのタイプの奇形についての更なる情報や医学的な見解、その他の情報を提供して下さる方がいれば有難いと思います。
最後の数葉の写真は国際黄十字の総裁であるシェグワート・ホースト・グンター博士によって撮られたものです。殆どは彼の1996年の著述である『ウラン弾_不具になった兵士達・奇形児達・死に行く子等』(Published by AHRIMAN - Verlag, ISBN: 3-89484-805-7)にあるものです。この本は劣化ウラン弾薬の後遺症に関する記録ですが、この写真は1993年から1995年の間に撮られたものです。グンター博士はまた彼の未公開の写真から何枚かを提供してくれました。それらの幾つかは湾岸戦争退役軍人の子供らに現れた出生奇形を示しています。私はグンター博士に、彼の写真を公開のものとして扱い著作権を放棄して貰えないかを要請しました。彼がそれに同意してださったので、あなたは必要に応じてこれらを複写することが出来ます。
ペンタゴン(アメリカ国防総省)もイギリス国防省も、劣化ウラン弾の被爆によるどのような深刻な危険性をも認めません。そして一方では、イラクの原子力発電所へのアメリカの攻撃がその一因であるとも考えうる中で、多くの研究者は劣化ウラン弾が奇形や癌の原因だと指摘しているのです。そして特に劣化ウラン弾の集中的な攻撃のあった南部地域では、奇形や癌の急増に動揺しているのです。イラクの医学者達はこのような事態にいままで遭遇したことがありませんでした。そして、かつての日本での二つの原爆投下の後にこのような奇形や癌の同じような増加があったということを確認しています。癌は七倍から十倍の率で増加していますし、奇形は四倍から六倍の率で増加しているのです。
しかも、アメリカは湾岸戦争が始るずっと以前から、劣化ウラン弾の化学的毒性や放射能特性の一般市民や兵士への潜在的な影響について、よく知っていたのです。それは以下の、アメリカ軍の記録の抜粋が断言して述べている通りです。
戦場における兵士達の劣化ウラン弾の霧の被爆は、放射能や毒物の潜在的な影響という観点から注意を払わなければならない。・・・・戦闘状態の下では、もっとも被爆するのは装甲部隊の次に戦場へ入る地上部隊だろう。・・・・我々は単に、兵士への劣化ウラン弾の被爆の許容量についてはっきりさせたいと思っている。・・・・劣化ウラン弾は・・低いレベルのアルファ放射線であり、身体内部が被爆すると癌を引き起こし、・・そしてその科学毒性が腎臓障害をおこす。・・短期間の大量の被爆は死を招き、長期間の少量の被爆は癌を引き起こす。・・・・健康と環境の劣化ウラン汚染の許容性に関する我々の結論は、それぞれが優れた医療と厳格な管理のもとにコントロールされる必要があるということである。戦闘状態は劣化ウランの制御不可能な拡散につながるだろう。・・・戦場の環境、また長い期間の住民やベテラン兵士の健康への危険性は、劣化ウラン貫通爆弾の軍事目的の連続的な使用を認めるかどうかに関して、論争を引き起こすだろう。
1990年7月の「科学と応用国際社団法人」の記録からの抜粋/[貫通爆弾の環境と健康への影響を考える]_補遺〈アメリカ軍の軍備・軍需品・化学兵器〉を含む_[貫通爆弾の長期に渡る戦略ー1990年7月]
「劣化ウラン弾の環境への衝撃に関する関心は以前からあり今も引き続いてある。それゆえ戦場における劣化ウラン弾の軍事的効果を証拠立てる人がいなければ、劣化ウラン弾の繰り返し使用は政治的に容認できないものになるかもしれないし兵器庫から削除されうる。私は、行動報告書が書かれるとき、この微妙な問題を心に留めて置かなければならないと思う。」ーロス・アラモス国家研究所メモ、Col. M.V. Ziehmn大尉、1991年3月1日ー
「戦場で兵士達は偶然に劣化ウランの塵や煙にさらされるかもしれないが。軍外科医長はこれらの兵士が身体の内部まで劣化ウランの被爆を受けることはありそうにないと決定した。偶然に塵や煙にさらされた兵士に対して医学的な診療は保証されていない。・・・・劣化ウラン武器が世界の武器市場で堂々と手に入れる事が出来るので、劣化ウラン武器は将来の対立において使われるだろう。将来の戦場における劣化ウラン患者の数は多分かなり多いだろう、なぜならアメリカ以外の国でも劣化ウランを含むシステムを使うからである。・・・・劣化ウランは低レベルではあるが放射性廃棄物である、それゆえに公認の保管場所へ処分されなければならない。・・・・どのような国際法も条約も規則も習慣もアメリカにペルシャ湾岸の戦闘地域での環境改善を要求することができない。」ー米軍環境政策学会による報告書、1995年6月〈米軍における劣化ウラン使用の健康被害とそれに続くもの〉
劣化ウラン弾は現在12カ国以上の国に保有されています。そして旧ユーゴスラビアにおいてNATO軍によって使われました。その地域に駐留している西欧の軍隊は最近その土地の水及びその土地から生産される食物を摂取しないように勧告しまた。それでも英国のMoD はどんな潜在的な危険さえも否定し続け、「われわれは劣化ウランが危険だという主張を裏付けるどのような調査結果も得ていない・・・・劣化ウランから作られる弾薬を装備から外すという計画はない。」とさえ言っている。(この記事は、ロンドン・ホワイトホール・国防省海外事務局所属のサイモン・レンから来た私への二通の手紙《1999年5月20日と2000年3月22日》によるものです。)
より個人的なレベルで、私はイラクへの旅行者達から話を聞くことが出来ました。彼等は、イラクの助産婦達と話したことがある人達です。これらの助産婦達はもはや"出生"ということが楽しみではない「何が出てくるか分からないから」と言っていたそうです。
不安を掻き立てて止まない下の写真がその事を正確に物語っています。
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顔の完全に変形した子供で、どのような顔の造作も認められない。額の真中にある片目には何が現れているのだろうか。 |
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水頭症の子供 |
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極端な水頭症。顔、身体、耳の変形。頭の右側を下りている線は潜在的に二つの頭が形作られていく可能性を示している。 |
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耳の変形。下半身の奇形の可能性。 |
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眼球の欠如。 |
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子供の背中の大きな穴は脊髄断裂の極端な形であると私は思う。 |
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誕生後すぐに撮られたこの写真は両性具有を現している、時に「生殖不可能児」とされているものである。 |
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この子供は未知の性質の白い物質に完全に覆われている。また明らかに顔と目の変形が有る。間近での写真のフラッシュにより細かい部分が明らかでない。 |
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同じような顔の変形を持つ二人の子供。グンター博士はこの子供達についてZyklopieだといっている。 |
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未知の白い物質に殆ど覆われた子供。 |
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同じ子供の前面。口と眼の深刻な変形。みみず状のものは開いた傷口または皮膚組織の不完全さを示している。 |
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深刻な身体の変形と胴体に対して直覚にねじ曲った首。 |
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重い水頭症で、また殆ど二つの頭が形作られている。 |
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近くでのフラッシュが細かい部分を不鮮明にしている。しかし明らかなのは口の奇形と片目が失われているということである。その目のまぶたも変形している。 |
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この子に何が起こったのかはっきりしない、そして私にはこの肌の黒さとその状態は説明がつかない。 |
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詳細は不明だが、眼球が失われていることは確認でき、また口も変形している。 |
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この写真は再び「生殖不能児」を示しているようにみえる。多分男児でペニスと陰嚢が陥没している。 |
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身体全体と頭の恐ろしい変形である。眼が失われ、手と足の変形。 |
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口の見たこともない奇形、多分胎児期に発生した腫瘍だろう。 |
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手の変形。殆どの指が発生していない。 |
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深刻な顔の変形。グンター博士は「Zyklopie」であると言っている。 |
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手の重い奇形。この子供は湾岸戦争でのアメリカ古参兵の子供である。 |
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極端な水頭症のイラクの子供である。そして脳神経の欠損。 |
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以前は知られていなかった腎臓疾患で、イラクにおいてグンター博士によって初めて診断された。心に留めて置くべきは、この子が劣化ウラン弾の容器(casings)で遊んでいたことである。 |
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極端な水頭症と脳神経の損傷 |
訳者(田中空音)あとがき
私はこれらの写真を初めて見たときに目を疑った。こんな醜悪な写真は日本のマスコミには流れてこないからである。そして虚偽の写真ではないかとさえ思った。実際に英文を訳していると、これらの写真の多くの出所ははっきりとはしていないようである。だから、多分プロのジャーナリストなら、これらを取り上げはしないだろう。
でも私は取り上げたかった。これらの写真が虚偽のものだとしても、この醜悪な写真はまさに戦争というものの醜悪さを物語っていると思ったからである。そして、もしこれらが本物で、誰かの意図で、マスコミには流れないように謀られているのだとすれば、この子供たちの無念はいかほどであろうと思えるからである。いずれにしても、戦争の醜悪さをこれほどまでに暴いている写真はめったにない。
私の英語力不足で語訳や意味不明な個所があるかもしれませんが、戦争を起こす人間の愚かさを伝えることが、私の目的なので、その辺は大目に見てください。
なおイラク問題や劣化ウラン弾問題に詳しい森住卓さんのホームページも参考にしてください。
http://www.morizumi-pj.com/