【ワシントン及川正也】米上院は18日、奴隷制度(1865年廃止)と人種差別の象徴となったジム・クロウ法(1964年廃止)で苦痛を味わったアフリカ系米国人(黒人)に対し、公式に謝罪する決議を全会一致で採択した。下院では昨年、同様の決議を採択しているが、黒人初のオバマ大統領が誕生したことを受け、上院でも採択した形だ。
決議では「奴隷制度や人種差別の根本的な不法、残虐さ、残忍さや残酷さ」を認め、「米国民を代表してアフリカ系米国人に謝罪する」としている。昨年の下院決議も同様の内容で、下院は近く改めて決議を採択する。
米国では1865年の南北戦争終結後の黒人解放にちなみ、6月19日は「奴隷解放の日」と呼ばれ、上院決議はその前日に採択された。ただ、拘束力はなく、連邦政府の法的補償なども避けている。
毎日新聞 2009年6月21日 9時53分