(CNN) 英国政界が議員の経費乱用問題に揺さぶられている問題で、ロンドン警視庁は20日、少人数の議員を対象に捜査を開始する方針を固めた。検察との合同捜査会議で決定した。
すべての主要政党を巻き込んだ乱用疑惑では、閣僚複数が既に辞任、議員10人以上が責任を取り、次回総選挙への出馬を断念する騒ぎに拡大している。ブラウン英首相は内閣改造に踏み切ったが、辞任を求める声がくすぶり、求心力は回復していない。英労働政権は先の地方選でも大敗している。
警視庁の捜査には、経済事犯と特殊犯罪の捜査班が参加。一連の疑惑をすっぱ抜いたデーリー・テレグラフによると、警視庁は特に、存在しない家屋で経費を請求した下院議員1人を含めた2人の立件に強い関心を示している。
英政府は、疑惑への国民の強い反発を受け、過去4年間にわたる経費請求の明細を公表したが、英メディアが既に報じていた個人情報が消されるなどの不備があり、逆に国民の冷笑を浴びる結果ともなった。経費乱用では、ペット犬のエサ代、クリスマスの粉飾品代やホームシアター設備代なども要求されていたことが分かっている。