June 11, 2009

記憶が風化しないうちに

テーマ:ココ・テイラー
思い出しつつ、ココとの思いでを書き出してみようと思う。

2000年10月に、ココのバンド、ブルース・マシーンのメンバーになったのは以前も書いた。
最初の3年くらいは、ココはとても怖かったね。
ステージ上ですごい形相で睨まれる事が何度もあった。今考えれば、音に不満な部分もあったろうし、そうでない部分もあったんだと思う。

ココは、とにかく曲に自分を100%投入する。
例えば”Cry like a baby"の「Cry like a baby when you left me last Friday night」と歌っていると、自分が本当に先週の金曜に男に逃げられた気分になっている。つまりムチャ機嫌が悪いわけだ(笑い)。その怒りをどこにぶつけるかと言えば、すぐ隣でギターを弾いている小生か、ヴィノなんだね。
ある日などは、小生のところに寄ってきて「Use your brain(頭を使いなさい)」って言葉を残して行ったこともある。これをショウの後に楽屋でメンバーに話したらみんな爆笑になって、今でも時々ギャグのネタにされている。でも小生はまだいい方で、20年近くココとやっているリーダーのヴィノはそれはそれはいろんな事を言われたみたいだね。おー怖っ(笑い)。

ところが、"Jump for joy"や"Wang Dang Doodle"のような軽快な楽しい曲になると、一転ニコニコしながらステップを踏んだり、お客さんに笑顔を見せて、ココは本当に楽しそうに歌う。

でも、ステージをいったん離れると、ステージ上でのそういったことは、全くなかったかの様に、優しい女性の顔に戻る。このへんの切り替えもすごかった。本人がそれを意識していたのかどうかはわからないけど。ステージを降りた後で音について言われたのは、9年間のうち最初の年に1回あっただけだ。

一流の女優がそうであるように、ココも曲の主人公として、深く自分を投影する才能を持っていたんだね。だからこそ、あれだけ人を動かす歌が歌えたんだろうと思うんだ。


コメント

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1 ■ありがとうございます

こんなときだからこそ、私たちはこうしてShunさんのブログを通じてココのいろんな姿を知ることができ、思いをはせることができて本当に幸せです。
心から感謝いたします!!!
明日からのスペインツアー、ココと一緒に楽しんできてくださいね。
シカゴでお戻りをお待ちしております!

2 ■無題

更新楽しみです♪

3 ■初めまして

菊田さんのことは1996年にシカゴにブルズの試合を見に行くためにネットで色々検索していたら、シカゴ在住の日本人の人のホームページを見つけて、それで知りました。

その後、Godfathers and Sonsを映画館で見て、ココ・テイラーの後ろに菊田さんを発見。全くアジア人とは思えないギターを弾く姿にカッコいいなあと思いました。

昨日は我が家でココ・テイラー追悼の意味でGodfathers and SonsをDVDで見ました。本当にいい映画で、先輩から後輩に音楽のバトンを渡す感じがよく表されていると思いました。生ココさんのライブは見たことはありません。残念です。

最後に、昔Godfathers and Sonsについて書いた記事を紹介させて下さい。
http://drmars.mine.nu/blog/111

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