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夫婦げんかでウソの通報…パトカー197台が出動

 「車を盗まれた。中に子供が乗っている」とうその110番通報で警察に緊急配備をさせたとして、神奈川県警厚木署は20日までに、軽犯罪法違反(虚構犯罪等申告)の疑いで同県厚木市の無職男(43)を書類送検した。県警は誘拐事件と判断してパトカー197台を出動。通報した男は夫婦げんかで家を出て行った妻を連れ戻してもらいたかっただけだった。

 とんでもない“大事件”となってしまった。

 同署によると、男は5月28日夕、妻(36)と仕事をめぐって口論。キレた妻は千葉県内の実家に帰ろうと、長男(8)を連れて軽自動車で家を出た。ここで男は警察に妻を連れ戻してもらおうと思いつき、午後7時40分ごろ、「コンビニで買い物中に車を盗まれた。子供が乗っている」とうその110番通報をした。

 通報を受けた県警通信指令課はうそだとはつゆ知らず、「窃盗および誘拐、監禁事件」と判断。全54署と機動捜査隊など7隊のパトカー197台をこの“事件”の捜査に回し、県警の全警察官約1万5000人の5%以上にあたる警察官約900人が検問などで車を割り出そうとした。さらに県警は県外への逃亡に備え、警視庁、静岡、山梨両県警にも緊急配備を要請したという。

 その結果、通報から約1時間半後の午後9時10分ごろ、同県鎌倉市由比ガ浜の国道134号線で、“犯人”の乗る軽自動車を鎌倉署のパトカーが発見。停止させてパトカー4台で取り囲むと、署員が「どこでこの車を盗んだ?」などと問いただした。

 これに驚いたのは男の妻。「なんですか?これは私の車で、この子は私の子供です」と返答。署員が誘拐事件についての通報内容を説明すると、妻が「そんなバカなことをするのは夫しかいない」とあきれたように話したという。

 任意同行で同署の事情聴取を受けた男は「夫婦げんかでは警察に相手してもらえないと思った。悪いことだと分かっていた。申し訳ない」とバツの悪そうな顔で話したという。妻は「あきれて何も言えない。恥ずかしい」と怒っており、仲直りには逆効果だったようだ。

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