13日の試合中に頭を強打して死亡した、プロレス団体「ノア」の社長兼選手だった三沢光晴さん(享年46)の葬儀・告別式が19日、東京都中野区の宝仙寺でしめやかに営まれた。遺族の意向で密葬となったが、小橋建太、秋山準らノアの選手に加え、佐々木健介、北斗晶ら約200人が参列し、涙で別れを告げた。また、三沢さんは年内で引退後、引退する選手の“第2の人生”のために、不動産業を営む計画を持っていたことも明らかになった。
◇ ◇
三沢さんとの最後の別れは、涙で包まれた。佐々木がハンカチで目をぬぐい、両手で顔を覆った北斗の目から涙があふれる。出棺の際、泣き崩れる女性に、「ミサワーッ」と叫ぶ男性も。だれからも愛された故人を200人が涙で見送った。
交流の広さを表すように、告別式にはノアの選手、佐々木のほか、高山善廣らレスラー仲間をはじめ、大相撲・富士ヶ根親方(元小結大善)、ダチョウ倶楽部の肥後克之と上島竜兵らが参列。ノアの百田光雄副社長は「おおらかで安らかな顔でした」と、故人をしのんだ。
喪主の妻・真由美さん(42)に代わって、長女・楓さん(20)が「ご会葬ありがとうございました。生前は父が大変お世話になりました」とあいさつ。弔辞はなく、壇上には、三沢さんが好んだ仮面ライダーとウルトラマンのフィギュアが飾られ、棺にも納められた。
遺影は、2000年8月に自動車レースに参加した際の緑色のレーシングスーツ姿。法名は「釋慈晴」で、出棺の際は、小橋建太、田上明、潮崎豪、小川良成、百田副社長が棺を運び、斎場には歴代の付き人だった浅子覚トレーナー、丸藤正道、鈴木鼓太郎、太田一平が同行。三沢さんの遺骨は午後3時半、長男の康真さん(17)が持ち、都内の自宅に戻った。
三沢さんの生前の夢について、ノアの仲田龍・取締役統括本部長は、選手の引退後の受け入れ先として飲食業のほか、不動産業を営む予定だったことを明かした。三沢さんがCM出演する「ザ・リーブ」を運営する「リーヴライフ トゥエンティーワン」の協力で不動産業に進出するプランもあった。同本部長は「引き継ぎは僕がやる」と話し、計画の目標を「2年」とした。再来年春ごろには、三沢さんの夢が実現するかもしれない。