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トヨタ、フェラーリなどで新選手権/F1

6月20日7時52分配信 サンケイスポーツ

 【シルバーストーン(英国)19日】F1世界選手権で国際自動車連盟(FIA)が強行導入を目指す来季の予算削減案に反対してきたフェラーリやトヨタら、主要8チームで構成するF1チーム協会(FOTA)は19日、来季はF1から離脱して、新たな選手権を設立すると発表した。1950年に当地で第1回大会が開かれた選手権は60年目の今年、ついに分裂の危機を迎えた。

 もはや妥協の道はない。FOTAが団結して反旗をひるがえした。フェラーリやトヨタらメーカー系5チームを含む8チームが「F1の価値を落とす行為はもう続けられない。新選手権設立以外にない」と声明を出した。世界選手権の初回GPが開かれたメモリアルコースのシルバーストーンで集団撤退を表明したのだ。

 この問題では昨年末のホンダ撤退で危機感を強めたFIAが、来季のチーム予算を4000万ポンド(約63億円)と大幅に制限することを決議。だが、主要チームにとって従来予算の約5分の1となる急激な削減にFOTAが激しく反発していた。

 中嶋一貴(24)の所属するウィリアムズとフォースインディアの2チームはFIA案に同意。FIAはさきに現存10チームに3つの新チームを加えた計13チームの来季参戦チームを発表したが、このうち8チームは予算案撤回を求め、条件付きで応じていた。だが、FIAは計画の撤回、修正には応じなかった。

 脅しではない。FOTAはすでに各国のサーキットやテレビ局、スポンサーに打診し、新選手権設立を視野に交渉。メーカーにとって重要な市場でありながら今季はGPが開催されない北米でも交渉し、「スポンサーや興行主から支持を得ている」とした。ライバルのサーキットに来年からの開催権を奪われたシルバーストーンも「新選手権のGPを開催したい」と継続開催に名乗りを上げている。受け皿となるコース確保には、問題はない。

 今後、FOTAとFIAが和解しなければ、来季は2つの選手権が並立。従来のF1はウィリアムズとフォースインディアを除いて無名のチームが乱立する選手権となる。世界の冠たる自動車メーカー、有力選手の“役者”がそろう「新F1」が、世界最高峰の選手権に取って変わる可能性が高い。

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最終更新:6月20日10時21分

サンケイスポーツ

 

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