イラン:改革派が抗議デモを中止 自爆で3人死傷の情報も

2009年6月20日 21時10分 更新:6月20日 23時51分

19日、テヘランで、最高指導者ハメネイ師を支持する集会に参加する女性たち=AP
19日、テヘランで、最高指導者ハメネイ師を支持する集会に参加する女性たち=AP

 【テヘラン春日孝之】イラン大統領選の開票を巡る混乱で、政府当局側は20日夕(日本時間同夜)、再選挙などを求めテヘラン中心部の革命広場付近に集結しようとした改革派支持者らの強制排除を始めた。改革派側は当初予定していた大規模デモを直前に中止したが、参加予定者の一部は抗議デモ強行の動きを見せている。中心部のホメイニ廟(びょう)付近で自爆とみられる爆発が起き、3人が死傷したとの情報もあり、事態は流動的だ。

 最高指導者ハメネイ師は19日、テヘラン大学での金曜礼拝で、改革派勢力がデモを強行した場合は武力制圧も辞さない姿勢を示しており、当局側がこれを実行した形だ。

 改革派勢力は20日、ムサビ元首相とカルビ元国会議長が統一行動として大規模抗議集会を計画していた。

 国営テレビは20日、大規模抗議デモについて「当局の許可がないため開かれないだろう」と伝えた。イラン学生通信によると、内務省は同日、「国内のいかなる場所でも20日はデモを許可しない。違反者は法に直面する」と断固たる姿勢を示した。警察当局も国営テレビで「いかなる集会にもあらゆる手段で対処する」と発表した。

 ロイター通信によると、改革派のカルビ元国会議長派は同日、「デモ中止」を決定した。しかし、ムサビ元首相は沈黙したままだ。

 治安部隊は同日夕までに革命広場付近を封鎖。だが、目撃者の話などによると、改革派支持者が同広場に至る道路の数カ所で治安部隊と衝突した。支持者はそれぞれ数百~数千人規模とみられる。AP通信によると、当局側は鎮圧に、催涙ガスや放水銃を用いている。

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