
フジチク元会長に2審判決/藤村芳治被告 藤村芳治被告
名古屋市の食肉卸「フジチク」グループによる牛肉偽装や豚肉不正輸入事件で、補助金適正化法違反と関税法違反などの罪に問われたグループ元会長の藤村芳治被告(66)の控訴審判決で、名古屋高裁は24日、懲役8年、罰金3億円とした1審判決を支持、被告の控訴を棄却した。
判決理由で田中亮一裁判長は「グループによる組織的、計画的で悪質な犯行」と指摘した上で「被告はグループの総帥、首謀者の立場にあり、刑事責任は重大だ」と述べた。
刑の減軽などを求めていた被告は同日、判決を不服として最高裁に上告した。
判決によると、藤村被告は関連会社の元役員らと共謀、2001年10月以降、国の牛海綿状脳症(BSE)対策事業で、対象外の輸入肉や実在しない牛肉を処分などしたと国に申請して、補助金計約13億8000万円を不正取得した。
また02年5月から03年9月にかけ、輸入豚肉の価格を虚偽申告し、関税計約62億8000万円を脱税した。03年12月以降には、関連会社の清算に備えて資産をダミー会社に移すなどした。