sample
03月30日 テレビの音についての話 3つ |
最近テレビを見ていて気が付いたことを3つ書きます。
(1)最初に●●の音質です。特別会員から「悪いということですがどのくらい、どのように悪いのですか?」というメールがありましたので画質レポートの前に書いてみます。
多くの人は「音がよくない」という言葉から「低音が出ないのだろう」「高音が出ないのだろう」というようなレンジの狭さを連想すると思います。しかしそうではないのです。
レンジは狭いよりは広いほうがいいに決まっていますが、今回はそういう問題ではないのです。
ものすごく変な音なのです。
変な音とはどういう音なのか?一言で言えば「直接出ているとは思えない音」なのです。ものすごく薄いプラスチックで作ったラッパのような音道(おんどう)を通って聞こえてくるような感じの音です。どう聞いてもスピーカーユニットが直接表に出ていて、ユニットからの直接音が聞こえているとは思えないのです。極端なたとえですが、1リットルくらいのペットボトルに8センチくらいのユニットを後ろ向きに取り付けたような音、と言ったらお分かりでしょうか?直接の音がほとんど聞こえず、固有のおかしな音が常に聞こえます。
周波数特性的に言うなら「カンカン」というよりは「コワン、コワン」というようなプラスチックの鳴りがすべての音に付随していて、中域に非常に癖の多い音ということになります。
開梱を手伝ってくれた勘助君の言葉を借りれば「ニュースさえ聞きたくないような音ですね」ということになります。後日レポートしますが、これだけ画質にこだわる技術者たちがこんな馬鹿みたいな音で平気というのは一体どういうことなのでしょうか??
穿(うが)った考えとしては「東芝の画質は一番安いこのモデルで飽和点に近いのではないでしょうか?これより高価なモデルは音質に注力しているのでは?」という勘助君の意見もあるのですが・・・・。
ともかくこのモデルは画質面では手放し絶賛ですが、外部スピーカーなしでは我慢できないと思います。レンジが狭くても癖がなければ苦にはならないのです。しかしこういうおかしな癖や鳴きのあるものはどうしようもありません。
(2)次に大河ドラマの音ですが、昨夜も安土城内の一室で信長がしゃべっていました。そこに洞穴みたいなエコーが付加されているのが非常に違和感があって仕方がありません。画面に映っている部屋の壁や家具から見て、とてもあそこまでおかしなエコーが付く部屋とは思えないのです。
百歩譲ってカメラのある側が大理石のようなテカテカ、ツルツルしたものであったとしてもあの洞穴トーンには絶対になりません。信長をやっている吉川の声が見かけとは違って軽くて不気味さがないのでライブにしたいのか?または外国カブレの異様な空間を感じさせたいのか?
こんなところにも気を付けてドラマを見てください。
(3)最後に去年の大河ドラマでお姫様をやっていた姉ちゃんがやっているアフラックという保険のCMです。アヒルと一緒にミニFMみたいな放送局ごっこをしているような内容です。この机の上に置いてあるキカイが一体何か分かりますか??
何とこれは放送のキカイでもなんでもありません。低周波の発振器と、そのレベルメーター(ミリバルといいます)が一体になった安物の測定器です。よく見えないのですが多分リーダー電子のものでしょう。アンプやデッキを測定する時に、この発振器部分から「ブー」「ピー」「チー」という低音から高音までを発振させ、そのレベルをメーター部分で読み取るのです。丸い大きなツマミは発振器の周波数ツマミです。
オークションに中古が出ていないかと探したら古いカタログが出ていました。そこから写真を借りて切り抜きました。これだというわけではないですが、この仲間です。
言うまでもありませんがこれではどうやっても電波は出ません・・・。まあ、そんなことを言うならアヒルと放送していること自体がおかしいという話になりますがね。夢があっていいのかもしれません。今度見たら笑ってください。
なおいつか書きますが、この種の「一見それらしい、しかし全然違うキカイを平気で使う」というのはテレビドラマではよく出て来ます。その中でも大笑いはTBSの「十津川警部」シリーズ。警察無線がアマチュア無線機なんてのは可愛いほうで、逆探知機なんかに至ってはSWRメータと安定化電源ですからね。さらに「科捜研」の壁にはカナレの放送用ケーブルの実物切断見本まで掛けてあるというすごさです。
今日はテレビに関連した音の話でした・・・・。