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’09都議選:都政の課題/3 新銀行東京 /東京

 ◇不況で再建の道険しく

 「これからはもう、今までのようにはいきませんよ」。経営再建中の新銀行東京から毎月1000万円ずつ、融資を受けている荒川区の食品加工販売会社社長(48)は最近、行員が漏らす言葉が気になっている。

 08年度は世界同時不況で輸出が伸び悩み、赤字に転落した。取引があるのは新銀行のみ。社長は「借りられなくなるか、銀行がなくなるか。いつまでも新銀行をあてにはできない。自力で何とかできるようにしなければ」と不安げだ。

 5月29日、新銀行は09年3月期決算を発表した。赤字額は105億円で再建計画を21億円下回り、1年後には赤字幅を7億円まで抑えられるとの見方を示した。石原慎太郎知事は「スタッフが歯を食いしばってやってくれている。世界のリセッション(景気後退)が上向けば必ず相乗効果を上げる」と述べ、数字を評価した。

 だが、貸出金や預金などの利息収支を示す資金利益はわずか7億円。国債等債権売却益などで何とか穴を埋め、業務純益の赤字を再建計画を下回る額に抑えたものの、収益力は依然として弱い。

 帝国データバンクによると、都内の5月の企業倒産件数は13カ月連続して前年同月比増の246件で、製造業や卸売業を中心に、厳しい状況が続いている。不良債権処理費の圧縮にも困難が予想され、目標とする12年3月期の黒字化達成を疑問視する声も上がる。

 開業目的である中小企業向け融資も45%にとどまり、存在意義を問われ続ける新銀行。08年3月、都の400億円の追加出資案に賛成した自民、公明に対し、早期撤退を主張する民主などは「都議選最大の争点」と位置づけている。【市川明代】=つづく

〔都内版〕

毎日新聞 2009年6月18日 地方版

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