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’09都議選:都政の課題/4 築地市場移転 /東京

 ◇汚染情報開示で不信感

 「都が何を言ってももう信用できない」

 築地市場(中央区)の移転に反対するNPO法人「市場を考える会」役員の山崎康弘さんは、新市場の建設が予定されている江東区豊洲の土壌汚染問題をめぐる都の対応に不満を募らせている。

 都は「築地は手狭で、大型トラックによる大量輸送や低温輸送などの流通環境の変化に対応しきれない」として、豊洲への移転以外に市場が生き残る道はないとの説明を繰り返してきた。

 だが、建設予定地は東京ガスの工場跡地。08年春には環境基準の4万3000倍のベンゼンなど深刻な土壌汚染が見つかり、市場で働く仲卸業者らを中心に移転反対論が浮上した。都は土壌汚染対策について話し合う「専門家会議」、工法を検討する「技術会議」を相次いで設置し、総額586億円をかけた土壌と地下水の浄化で「食の安心安全」が確保できると強調。14年12月の移転に向け準備を進めている。

 山崎さんらが問題とするのは、都の情報開示の姿勢だ。専門家会議は一般傍聴が認められたが、技術会議は非公開。最近になって、発がん性物質のベンゾ(a)ピレンが高濃度で検出されていたことや、汚染地下水の拡大を防ぐ不透水層が一部で確認できなかったことについて、都が専門家会議に報告していなかったことが判明し、「情報隠し」との不信が広がった。

 都議会では、自民、公明が豊洲への移転に理解を示す一方で、共産や生活者ネットは反対の姿勢を表明。立場を明確にしてこなかった民主も、都の手法に問題があるとして、批判を強めている。【市川明代】=つづく

〔都内版〕

毎日新聞 2009年6月19日 地方版

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