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新型インフル 感染男性 新幹線で帰る 「自宅療養」奈良県側、都に反発 

6月20日15時16分配信 産経新聞

 ■急遽職員が出迎え 

 旅行先の東京都内で新型インフルエンザ感染が確認された奈良県桜井市に住む20代の男性が、発熱などの症状があるにもかかわらず「自宅療養」のため19日に新幹線に乗って県内に戻っていたことが20日、わかった。男性が帰宅を希望していたといい、都は、国が19日に示した指針で「原則として入院措置はとらず自宅療養」と規定していたことから、「自宅療養も可能」と判断した。しかし、奈良県側は「あくまで感染防止が最重要。公共交通機関を使うのはどうなのか」と反発している。

 県によると、男性は同県内では2例目の感染者。今月11〜16日にハワイに旅行。帰国後の17日から東京都内に滞在していた。18日夜に発熱症状が出たといい、翌19日に都内の一般医療機関で受診。遺伝子診断の結果、同日夕に新型インフルエンザの感染が確認され、都内の発熱外来受診時に38・1度の発熱があった。県内に入院した後の20日午前3時には37・7度に下がり、せきの症状はあるものの容体は落ち着いているという。

 男性は都の担当者から「入院も可能だが、自宅療養もできる」と説明を受けたため、自宅療養が決まったという。19日午後7時ごろ新幹線に乗車。マスクを着用していたが、座席の周囲に人を座らせないなどの措置はとられていなかった。

 一方、県が都から連絡をうけたのは、男性が新幹線乗車後の同日午後7時半ごろ。県の担当者が男性に連絡をとり、グリーン車に乗るなど、人との接触を避けるよう求めようとしたが、すでに乗車後だった。男性は京都駅で乗り換え帰宅する予定だったが、担当者が急きょ京都駅まで県の搬送車で迎えにいき、そのまま奈良県内の病院に入院させた。

 県の担当者は「自宅療養とはいえ、人ごみを避けるのが普通。せめて1日でも入院などの措置はとれなかったのか。奈良県ではこのような対応はとらない」と話す。

 これに対し、東京都感染症対策課では「都内では、入院措置が必要ないと判断した場合は自宅療養も選べるようにしている。男性は、飛沫(ひまつ)感染を起こす状況になかったとみられ、医師から感染防止の指導を受けて自宅療養を選んだ」と説明している。

 国は19日に改訂した指針のうち患者への対応について、これまで軽症者は自宅療養、重症者やインフルエンザの症状がある患者を入院治療などとしていたが、原則として入院措置はとらず自宅療養とするよう変更している。

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最終更新:6月20日15時25分

産経新聞

 

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