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「よし西松にしよう」大久保被告が了承…検察が調書朗読

6月19日23時41分配信 読売新聞

 よし西松にしよう−−。東京地裁で19日に行われた準大手ゼネコン「西松建設」の違法献金事件の初公判。検察側は同社関係者の供述調書を読み上げ、小沢一郎・民主党前代表の公設第1秘書・大久保隆規被告(48)が東北地方の公共工事で、同社を落札業者に指名する「天の声」を発していた実態を浮かび上がらせた。

 ◆供述調書

 検察側はこの日の公判で、大久保被告の供述調書を朗読。ダミーの政治団体による献金について、「西松建設側の献金と知っていた」と供述していたことを明らかにした。

 大久保被告は2006年にダミー団体を使った献金が打ち切られた経緯についても供述。西松建設の担当者から「うちの経営も厳しい。献金を打ち切らせてほしい」と切り出され、「これまでのご支援、ありがとうございました。業績が回復したらまた小沢を支援して下さい」と応じたという。

 また、検察側が読み上げた西松建設東北支店幹部の調書によると、岩手県発注の遠野第2ダム工事に関して、この幹部が05年頃、東京都内の事務所に大久保被告を訪ね、「お力添えをお願いします」と要請すると、いったんは「ほかのゼネコンにもお願いされているから」と難色を示されたが、再度訪問すると、「よし、分かった。西松にしてやろう」と了承されたという。

 この工事は05年12月の「談合決別宣言」の後に入札が行われ、結局、同社は落札できなかったという。

 ◆冒頭陳述

 検察側は冒頭陳述で、西松建設が小沢事務所と協議しながら、違法献金システムをつくり上げた経過も詳述した。それによると、西松建設は1997年、小沢事務所と年間の献金額を2500万円とすることで合意。このうち1000万円については、同社東北支店が下請け企業20社による「松和会」という組織をつくり、小沢前代表側に、1社あたり年間50万円を献金させていたと指摘した。

 小沢事務所からは、献金が社会の耳目を引かないよう、名義を分散して献金するよう要請されていた。大久保被告が、どの名義でいくら献金を受けるかの割り振り案を記した一覧表を西松側に示して交渉することもあったとしている。

 ◆被告人質問

 同社前社長の国沢幹雄被告(70)はこの日午後、弁護側の被告人質問に答え、小沢前代表側に多額の献金を行ったことについて、「他のゼネコンも大なり小なりやっているので、競争に勝ち残るために必要悪と思ってやった。悪弊をなくせなかった経営者としての限界で、じくじたる思いだ」と述べた。

 さらに、「会社の利益を優先させたことが失敗で、法を犯してまでやるべきではなかった。深く反省している」と語った。

最終更新:6月19日23時41分

読売新聞

 

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