はぐれけんきゅういん♀リターンズ

マニアックな研究(?)に明け暮れる毎日……

「花ゲリラ」のお話

2005年06月01日 | 環境
今日は報告書やらなにやらで、ずっと書類作成の一日でした。

さて、2年程前から、
地方の園芸愛好会向けの配布物にコラムを依頼されて書いているのですが、今回は「花ゲリラ」の話を書きました。
花ゲリラの活動は、一般に美談とされていて、花ゲリラをテーマとした絵本までありますが、「こういう考え方もあるんだな。」と思っていただければ幸せです。

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「花ゲリラ」という活動をご存知でしょうか?空き地などにこっそり花の種をまいてしまう活動です。

「土手や空き地が面白みのない草でボーボー、ゴミだらけで楽しくない。ならば、余った花の種や苗を植えて花いっぱいにして楽しもう。」と呼びかけています。

「あらステキ、私もやってみようかな?」と思われたら、ちょっと待ってください!
 この行為は、場所によっては法律に違反します。
 たとえば、川原の土手に無断で種などをまくと河川法に違反します。植物の根などが土手を決壊させるおそれがあるためです。最近サクラの苗木を許可なく川原に植えたという事で逮捕者も出ました。

 花ゲリラが良く使うマーガレットやコスモスは、丈夫で、病気に強く、よく増えます。言いかえれば、日本では天敵がほとんどおらず、一旦ふえるとなかなか歯止めが利きません。

 さて、私の住む地区には、少し奥の小道に入ると、全国的にも珍しい「日本のタンポポ」(エゾタンポポ)がまだ残っています。別の地区にはホンスミレが咲いています。この地域は、日本古来の草花の宝庫なのです。
 しかし、その近くを通る舗装道路の道端では、管理されずにどんどん増えるマーガレットが繁茂しています。
これを見つけるたびに、悲しい思いになります。日本の草花の生息地や日光や土の栄養分を、マーガレットが代わりに奪い取ってしまうことで、日本の草花の生育をおびやかすからです。
 
 もちろん、お庭で楽しむのは全く問題ありませんのでご安心下さい。花は、管理できるお庭や区画で楽しんでほしい、と切に願っています。

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※追記 コメント欄にも書きましたが、上記で発見した「どんどん増えている花」は、マーガレットではなくフランスギクであると判明しました。フランスギクも外来種で、近年その増殖が問題視されています。

そして4年後「花ゲリラ」は……(後日談)。
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コメント

マーガレット→フランスギク (きのこ(torajya3291))
2005-06-16 20:39:32
URL(新しい日記)に書きましたが、本州で雪が降る地域の場合、越冬する花はマーガレットというよりもフランスギクの方が可能性が高いようです。

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ゲリラ種まきについて考える《抜かれても泣かない!》 (歩きながら道ばたに種を蒔いてみたりする、日々。)
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