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この日は朝6:10に朝食を摂り、即出発となりました。プールに到着するとすでに練習が始まって いましたが、館内はものすごい音量で音楽が流れていて、まるでコンサート会場のようです。選手達 はそれぞれに準備をしてプールに入って行きますが、東北勢はなかなか入ろうとしません。ここでも 東北の子供たちの特徴である、引っ込み思案というのが出ているようです。心配していた泳ぐ方向に ついては、コースによって時計回りと反時計回りが設定されていましたが、選手達はもうどちらでも 対応できていました。飛び込みスタート可能なペースコースとダッシュコースも設定されていました。 場内アナウンスでペースコース、ダッシュコースの案内がありましたが、訛りの強い英語はとても聞 き取りにくく、 「ライン アイト イズ パイス ライン (Lane 8 is pace lane.)」 というふうに聞こえました。 |
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ダッシュコースは日本のように丁寧に並びません。先にスタート台に上がった者がスタートでき るという無秩序状態で、選手達は戸惑ってなかなか台に上がれません。 き 大変なことに、ジャパンの先頭を切ってレースに出るはずの東北代表、菅野選手が緊張から泣き 出して練習することすらできなくなってしまいました。さあ、これが泣き虫ジャパンの始まりです。 |
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さて、いよいよ大会初日の予選競技が始まります。決勝に進出できるのは予選タイムレースの年 齢別で上位8人中、外国枠の「2つ」のみです。8位以内のタイムで泳いでも、本国ニュージーランド 以外の国の選手は2人しか決勝レースに出ることができません。狭い枠を争うことになり、予選から 手を抜く事はできない真剣勝負です。菅野選手は結局レースを棄権してしまいましたが、あとの選手 はほとんど順調です。出発前に足首を捻挫してしまった女子個人メドレーのエース、関東ブロック代 表埼玉県ユアースポーツ蕨所属の秋山遥奈選手も大事をとって棄権することになりました。しかしな がら、初日は出場28種目中17種目で自己ベスト更新、計のべ14名の決勝進出となりました。 あ 男子50mの最初の出場者、背泳ぎの北信越代表JSSジャンボ所属奈良享祐選手は招集員の英語が聞 き取れず、自分の出番に遅れてしまうハプニングがありましたが、全予選競技終了後にタイムトライ アルを実施してもらうことができ、無事に公式記録を残すことができました。 |
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決勝競技は夕方6時の開会式の後、開始となります。ホテルに戻って昼食を摂り、選手は一旦休 憩です。決勝競技は夜遅くまで掛かるので、市内の日本料理店におにぎり弁当を注文していますが、 おにぎり3個入りでNZ$110、日本円にして1,300円もする高価なもので驚かされました。 あ 予選記録のまとめなどもありスタッフの休憩時間は無く、4時出発で再び会場に向かいます。選手 達は午前中の練習でしっかり泳ぎ、レースでも泳いでいるので、ここでのウォーミングアップは軽く 泳ぐ程度で済ませていました。 |
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6時になり開会式が執り行われ、各チームの代表選手が入場行進をします。ありがたいことに、 日本選手団の入場は大きな歓声で迎えられました。 あ いよいよ初日の決勝競技がスタートします。最初は女子13歳400m自由形、本来は平泳ぎが得意 種目の東京代表後楽園スイミングひばりヶ丘所属の高瀬綾香選手がトップバッターです。4'37"54 の予選2位通過で、メダル第1号の期待が掛かっています。スタートして序盤はトップ争いに加わっ ていましたが、ハプニング発生です。なんとゴーグルが外れているようです。すぐにゴーグルがな くなってしまい、どうやらストラップが切れてしまったようです。それでなくても距離感が掴みに くいプールなのに、ターンはかなりの難関になってしまいます。しかしながら、まったく動じてい ない様子で泳ぎ切り4'37"71と予選と殆ど同じ記録で3位入賞。みごとジャパン第1号メダリストと なりました。高瀬選手のその諦めない姿勢は選手団に勇気と感動、そして勢いをもたらしてくれま した。 |
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その後も順調に入賞を重ね、金第1号は男子13歳200m個人メドレーの関東代表JSS毛呂山所属、 瀬戸大也選手となりました。 |
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東北勢では秋田の小林選手が15歳50m平泳ぎで2位、女子13歳200m背泳ぎでは渡邊選手、亀森 選手がぶっちぎりの1、2位を独占しました。 |
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高瀬選手も得意の50m平泳ぎで優勝するなど、決勝進出者全員がメダルを獲得。金6、銀7、銅2 を獲得しました。 あ 初日の決勝競技は9時に終了。ホテルに戻って10時からの遅い夕食となりました。この日も888 号室で深夜までミーティングです。好成績に話も弾みました。 |