この所、ずっと根を詰める仕事を続けていました。今日には、それに加えて、緊張を強いられる仕事を行いました。今日には仕事の山を越えると思っていました。
越えませんでした。
『石壁の国の物語』を書き継ぐには、暫らくの時間が懸かりそうです。
私の物語を読まれた方はお判りになると思いますが、私は物語の書き手としては、光では無く闇の側に属する人間です。
『石壁の国の物語』を書き継ぐ事の出来ない理由の一つは、闇の世界の住人に相応しいもので、つまり、この物語を書き継ぐには、深い哀しみが必要だからです。
『石壁の国の物語』を書き継ぐ事の出来ない理由のもう一つは、闇の世界の住人には相応しくないもので、つまり、それを書き継ぐには、その深い哀しみに負けない、心の強さが必要だからです。
その両方共を、暫らくは備える事が出来そうにありません。
ですが、近い内に、極く些細で、単純な、当たり前の、何処にでもある、そんな物語なら、書く事になるかも知れません。

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