【ワシントン斉藤信宏】米国際貿易委員会(ITC)は18日、中国製の自動車用タイヤが安く大量に流入したことで米市場に悪影響を及ぼしたとして、全米鉄鋼労働組合(USWA)などの求めに応じ、緊急輸入制限(セーフガード)の発動が適当との判断を賛成多数で決めた。ITCは7月9日までに、具体的な輸入制限措置をオバマ米大統領に勧告。大統領が発動の是非を最終判断する。
勧告対象になったのは、乗用車や軽トラック用の中国製タイヤ。米国内では中国製タイヤの急増で多くのタイヤ工場が閉鎖に追い込まれるなど影響が広がっていた。
昨年秋の金融危機以降、世界的に貿易が縮小する中、輸入を制限する動きが強まるなど保護主義への懸念が増している。ロイター通信によると、中国のタイヤメーカーは「輸入制限は米国の消費者にとって高い製品を買わされることになる」とコメントした。
毎日新聞 2009年6月20日 東京朝刊