民主党の鳩山由紀夫代表は17日の党首討論で日本郵政の社長人事を巡る混乱を取り上げ、「政権を獲得すれば、国民の世論を受け止め、西川(善文)社長にお辞めいただくしかない」と明言した。これに対し、麻生太郎首相は「民間会社の人事を世論で決めるべきか。政府が介入すべきか。極めて慎重であらねばならない」と否定的な見解を示した。
鳩山氏は「(首相は)判断できない、判断がぶれる、判断を間違える。間違った方の首(鳩山邦夫前総務相)を切ったのではないか」と批判した。首相は「あえて『行状』という言葉を使うが、西川氏のしたことに意見が多々あるのは知っている」と西川氏への不満をにじませた上で、「『早めの対応を』と(前総務相に)言ったが、なかなか結論が至らなかった」と釈明した。
首相は鳩山氏に迫る中で、民主党の政策の財源について、「消費税(増税)の論議を避けるのは財源(の提示)を避けるということだ」と追及した。鳩山氏は「我々が政権を取っても4年間、消費税増税はしないと明言しておく」と宣言し、「財源の手当ては徹底的に無駄遣いをなくすところからスタートする」と答えた。
また、鳩山氏は国連安全保障理事会の北朝鮮制裁決議を受けた船舶検査に関する特別措置法案に関し、「(政府が)早く法案を出せば、できるだけ早く結論を出すことを約束する」と述べ、審議を引き延ばさないと確約した。首相は「与野党一致して早急な結論を得たい」と民主党の賛同に期待感を示した。【田中成之】
毎日新聞 2009年6月17日 20時58分(最終更新 6月17日 21時50分)