岡山放送局

2009年6月19日 19時11分更新

ハンセン療養所100記念式典


瀬戸内市にあるハンセン病療養所「邑久光明園」が、ことしで創立100周年を迎え、19日、入所者らが出席して記念式典が開かれました。

瀬戸内市の「邑久光明園」は、その前身となる「外島保養院」が明治42年に大阪に完成してから、ことしで100周年を迎えます。

19日、開かれた記念式典には入所者や国の担当者らおよそ150人が出席し、入所者自治会の屋猛司会長が「100年の間には入所者にとっって非常に辛い時期もあったが、今後、1人1人の入所者が生きていて良かったと思える療養所であってほしい」とあいさつしました。

そして「外島保養院」以来の入所者で93歳の芳山智雄さんに自治会長から記念品が手渡されました。

式典のあと出席者は、施設で亡くなった入所者の遺骨が納められた納骨堂に献花をして、故郷を奪われたかつての入所者のめい福を祈っていました。

大阪の「外島保養院」は昭和9年9月の「室戸台風」により壊滅的な被害を受けたことから、昭和13年に場所をいまの瀬戸内市に移し、邑久光明園となりました。

療養所にはハンセン病患者を強制的に隔離することを定めた法律などにより、ふるさとを追われた患者が全国から入所していましたが、平成8年に法律が廃止されて以降、国が隔離政策の過ちを認め、元患者らに謝罪や損害賠償を行いました。

入所者の芳山智雄さんは「ハンセン病に対する差別や偏見の中で亡くなった仲間たちは本当に辛かったと思う」と話していました。