2009年6月13日15時0分
韓国が野球人気にわいている。プロ公式戦の観客数は過去最高を上回るペース。昨年の北京五輪で優勝したうえ、3月の第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でも準優勝し、「国民の関心が高まっている」(関係者)。低迷気味の日本プロ野球を横目に、元気な韓国野球の人気と強さの背景を探った。
開幕から3カ月。球場はプロ野球ファンでいっぱいだ。12日現在、公式戦を43%消化した時点で、観客動員数は243万人を超えた。年間換算では過去最高だった95年の540万人を上回る勢いだ。
関連グッズも人気だ。光州のロッテ百貨店では、野球帽の売り上げが前年同期比13%の増。同店は「野球熱と、地元球団(KIA)が好成績をあげているのが理由」。インターネット衣類販売大手によると、野球ジャンパーの売り上げが前年比3倍増に。毎日約150着が売れるという。
公式戦は12日現在、北京五輪で日本を苦しめた金広鉉投手(SK)らが8勝でハーラーダービーのトップ。SKには今年、元巨人の門倉健投手も在籍、3勝を挙げてチームの首位争いを支える。
韓国プロ野球は82年に6球団で発足。一時はブームにわいたが、スーパースターだった宣銅烈選手が中日に移籍した96年から人気が下降。観客動員数も04年にはピークの半分以下の230万人台に落ち込んだ。本場の大リーグや日本のプロ野球を見たファンが韓国野球に興味を失った結果とみられた。
ところが、06年の第1回WBCで4強入りし、08年北京五輪では優勝、今年の第2回WBCでも準優勝した。観客動員数は07年、11年ぶりに400万人台に乗せた。国際大会での活躍にあわせて、野球人気も「復権」した形だ。