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近大ボクシング廃部決定 赤井さん「愛情あった、残念」

2009年6月19日7時0分

 近畿大ボクシング部員の男子学生2人が強盗容疑で逮捕された事件を受け、同大は18日、同日付でボクシング部の廃部を決めた。事件発覚の翌日の決定という異例の早さに、関係者たちは動揺を隠せない。

 浜田吉治郎総監督は同日、責任を取って辞表を大学に提出し、受理された。

 2人の学生のうち1人は、8日に逮捕されていた。近大はこの時点から対応を協議していた。17日に事件の全容を把握し、翌18日の幹部会議で廃部を決めた。広報担当者は「重大性を考えた」。他の部員については他大学への転入も含めて検討するという。

 全部員20人のうち、逮捕された2人を含む13人が生活している大学そばの学生寮。1年生部員(19)は「何が起こっているのかわからない」。4年生部員(21)は「残念。本当に悔しい」と語った。管理人の山下和博さん(52)は「ボクシングができないなら何のためにここに来たのか、と言う部員もいる。今後の道を考えて欲しい」。

 ボクシング部OB会の辻本章次会長(61)は「ボクサーが人に手を出したらあかん」と肩を落とした。全日本大学王座決定戦で11度優勝も、91年に最後の日本一に輝いた後の成績は振るわなかったという。「勧誘しても選手が入ってくれないと、総監督が嘆いていた」

 体育会の部員による不祥事で大学が廃部処分まで下す例は少ない。99年、国士大剣道部の男子部員が後輩を暴行死させる傷害致死事件が起き、同大学は事件発生の約1カ月後に解散を決めた(その後活動再開)。辻本会長は「処分は仕方ない。ただ、OB会で話し合う間もなかった」と話した。

     ◇

 近大ボクシング部のOBで俳優の赤井英和さん(49)は「廃部になったことは大変厳しいが、致し方ない。愛情を持っていた部だけに残念で悲しい。残った後輩たちが、これでボクシングへの情熱を消さないでほしい。なんとかがんばって欲しい」と所属事務所を通じてコメントした。

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